第32回介護福祉士試験問題解説【問題27~34】 全8問 コミュニケーション技術
コミュニケーション技術
問題 27
直面化の技法に関する次の記述のうち,最も適切なもの’を1つ選びなさい。
1 利用者の感情と行動の矛盾点を指摘する。
2 うなずきやあいづちを用いて,利用者の話を促す。
3 利用者が話_した内容を,整理して伝える。
4 利用者が話した内容を,別の言葉を使って簡潔に返す。
5 「はい」や「いいえ」だけで答えられる質問をする。
★問題27正解=1
◆◆解説◆◆
イメージは。
ずばっと。
直球勝負。
なんて書いたら、お叱りをうけそうですが。
直球を投げかけることにより、
相手との共有が、図れることもあるからですね。
問題 28
意欲が低下した人とのコミュニケーションの基本として,最も優先すべきものを1つ選びなさい。
1 考え方を変えるように促す。
2 早く元気を出すように励ます。
3 意欲が自然に回復するまで待つ。
4 意欲低下の背景を考える。
5 自己決定してもらうのは避ける。
★問題28正解=4
◆◆解説◆◆
ここは、凡ミス禁止で。
問題 29
構音障害のある利用者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 閉じられた質問の活用を控える。
2 聞き取れないところは,再度言ってもらう。
3 はっきりと発音するように促す。
4 耳元で大きな声で話しかける。
5 筆談の活用を控える。
★問題29正解=2
◆◆解説◆◆
問題 29 正解は 2 といたします
迷った受験生さんも、多いのではないでしょうか??
設問の文章が短く、再度言ってもらうという表現がなんだか
命令っぽいし・・・
『構音障害』とは、
ことばを理解しているし、伝えたいことばははっきりしているのですが、
音を作る器官やその動きに問題があって発音がうまくできない状態
ですね。
聞き取れない場合には、丁寧にそのことを伝えて、もういちど、
おっしゃってくださるよう、御願いしてもよいでしょう。
場面に応じて、クローズドクエスチョンを上手に用いることも
GOOD。
設問5にも、あるように、
言葉以外の、さまざまなツールを併用することも、試す価値あり
です。
また、コミュニケーション時においては、
姿勢を安定させたり、テレビなどの音量をさげて、雑音を少なくするなど、
会話しやすい環境づくりも、大切ですよね。
問題 30
視覚障害者とのコミュニケーションに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 挨拶するときは後ろから声をかける
2 話しかけることは最小限にとどめる。
3 聴覚,触覚,嗅覚を活用する。
4 声の強弱などの準言語の活用は控える。
5 方向を示すときは「あちら」「そちら」と表現する。
★問題30正解=3
◆◆解説◆◆
どなたも、3を 選んでくださったとおもいます。
次の事例を読んで,問題31,問題32について答えなさい。
〔事 例〕
Jさん(20歳,男性)は,中度の知的障害を伴う自閉症(autism)があり.2か月前から就労継鼓支援B型事業所を利用している。Jさんは。日常生活に関することは自分の感情を伝えることができるが,他者の感情を読み取ることや抽象的な言葉の理解は苦手である。また.持会的な善悪に照らして自分の言動を判断することが難しい.
ある日,事業所で作業中にJさんが興奮して他の利用者を叩いた。介護福祉職は二人を引き離し J さんを個室に連れて行って対応した。
作業終了後,同居している家族にJさんの出来事を伝えた。家族はJさんに,「どうしてそんなことをするの。いつもだめなことばかりして」とイライラした口調で叱った。
問題 31
Jさんを個室に連れて行ったときの,介護福祉職のJさんに対する最初の言葉かけとして,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「人を叩くのは許されません」
2 「相手の気持ちを想像しましょう」
3 「自分のしたことを反省しましょう」
4 「ここで話をしましょう」
5 「なぜ叩いてしまったのですか]
★問題31正解=4
◆◆解説◆◆
2ヶ月のあいだに、Jさんは、どれくらい、
就労継続支援B型事業所に通ったのでしょう・・・
まだまだ、緊張していたり、
スタッフや、他の利用者さんのとコミュニケーションに
とまどったり。
どんまい、Jさん。
開題 32
Jさんを叱った家族への介護福祉職の対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 叱ることは正しいと支持する。
2 家族の対応は間違っていると否定する。
3 Jさんへのこれまでの対応や思いを聴く。
4 家族の対応には介入せずに黙認する。
5 介護福祉職の指示どおりに対応するように伝える。
★問題32正解=3
◆◆解説◆◆
始まったばかりの、Jさんの新しい生活。
それは、御家族にとってもおなじです。
たくさん、御話しをうかがえるような対応が
のぞましいでしょう。
次の事例を読んで,問題33,問題34について答えなさい。
〔事 例〕
Kさん(80歳 男性)は,中等度の認知症(dementia)があり,認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居中である。16時頃. KさんがL介護福祉職に,「仕事は終わりました。家に帰ります」と伝えてきた。その後,L介護福祉職がKさんの居室を訪問すると, Kさんは,「早く家に帰らなくては・‥」と言いながらダンスから衣類
を取り出していた。
問題 33
L介護福祉職が居室を訪問したときに,最初にとる対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 衣類をダンスへ戻すように促す。
2 居室から出ないようにお願いする。
3 ここに入居したことを覚えていないのかと質問する。
4 ここは仕事場ではないことを説明する。
5 挨拶しながら表情や行動を観察する。
★問題33正解=5
◆◆解説◆◆
夕暮れ症候群・・・
という言葉が浮かんだ受験生さん、多数と思います。
カンファレンスを経て、Kさんへの対応を決めることに
なりますが、まずは適切な対応で、情報収集から。
ご自分の居場所がわからなくなっているKさんに、
『ここは仕事場ではありません』と
言って、本人を否定しまうのは逆効果です。
同様に、『家には帰れない』と言うのも、NGです。
不安が増してしまい、ますます帰りたいという願望が強まって
しまいます。
場合によっては、暴言や暴力に繋がることも考えられるでしょう。
問題34
客観的事実を表す介護記録として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 16時頃,「仕事は終わりました。家に帰ります」という発言があった。
2 自宅のことが心配になって「家に帰る」という発言があった。
3 不安時に無断外出が心配されるため,様子の観察が必要と考える。
4 認知症(dementia)が悪化し,ここがどこなのかを理解していないようだ。
5 帰宅願望があったが,特に問題はなかった。
★問題34正解=1
◆◆解説◆◆
記録者の意見や、見解、判断などは交えずに、
事実を、
そのまま、
ありのままに。
となると、設問1が正解ですね。
第32回介護福祉士国家試験 試験問題と解答解説 目次
・【問題001~2】 全2問 人間の尊厳と自立
・【問題003~4】 全2問 人間関係とコミュニケーション
・【問題005~16】 全12問 社会の理解
・【問題017~26】 全10問 介護の基本
・【問題027~34】 全8問 コミュニケーション技術
・【問題035~60】 全26問 生活支援技術
・【問題061~68】 全8問 介護過程
・【問題069~76】 全8問 発達と老化の理解
・【問題077~86】 全10問 認知症の理解
・【問題087~96】 全10問 障害の理解
・【問題97~108】全12問 こころとからだのしくみ
・【問題109~113】全5問 医療的ケア
・【問題114~125】全12問総合問題