第32回介護福祉士試験問題解説【問題109~113】全5問 医療的ケア
領域:医療的ケア
医療的ケア
問題109
介護福祉士が医師の指示の下で行う喀痰吸引の範囲として,正しいものを1つ選びなさい。
1 咽頭の手前まで
2 咽頭まで
3 喉頭まで
4 気管の手前まで
5 気管分岐部まで
★問題109正解=1
◆◆解説◆◆
問題 109 正解は 1 といたします
法整備が進み、介護福祉士職による喀痰吸引も行なわれる
ようになりましたね。
厚生労働省資料によりますと、
在宅、特別支援学校、特別養護老人ホームのいずれに
おいても、喀痰の吸引は、『咽頭の手前までを限度』として
います。
厚労省ホームページなどでもご覧になれますので、
御時間のあるときに、ぜひ、チェックを。
問題110
2011年(平成23年)の社会福祉士及び介護福祉士法の改正に基づいて,介護福祉士による実施が可能になった
喀痰吸引等の制度に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。
1 喀痰吸引や経管栄養は,医行為から除外された。
2 喀痰吸引等を行うためには,実地研修を修了する必要がある。
3 介護福祉士は,病院で喀痰吸引を実施できる。
4 介護福祉士は,この制度の基本研修の講師ができる。
5 実施できる行為の一つとして、インスリン注射がある。
★問題110正解=2
◆◆解説◆◆
問題 110 正解は 2 といたします
無事、難関を突破なさったら、
次は、頑張って、研修受講!! ですね。
問題111
Kさん(76歳)は,日頃から痰がからむことがあり,介護福祉士が喀痰吸引を行っている。
鼻腔内吸引を実施したところ,吸引物に血液が少量混じっていた。
Kさんは, 「痰は取り切れたよう」と言っており,呼吸は落ち着いている。
このときの介護福祉士の対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 出血していそうな’ところに吸引チュ―ブをとどめる。
2 吸引圧を弱くして再度吸引をする。
3 血液の混じりがなくなるまで繰り返し吸引をする。
4 鼻腔と口腔の中を観察する。
5 鼻腔内を消毒する。
★問題111正解=4
◆◆解説◆◆
問題 111 正解は 4 といたします
まずは、吸引を停止して、
Kさんの呼吸状態を、確認することが大切ですね。
幸いにも、呼吸は落ち着いており、会話も可能。
Kさんの許可を得て、鼻腔と、口腔の中を見せて
いただくことがベストと考えます。
痛みや違和感の有無なども、確認したのち、すみやかな
医療職への連絡がのぞましいでしょう。
問題112
口腔内・鼻腔内の喀痰吸引に必要な物品の管理に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 吸引チューブの保管方法のうち,乾燥法では,浸漬法に比べて短時間で細菌が死滅する。
2 浸漬法で用いる消毒液は, 72時間を目安に交換する。
3 吸引チューブの洗浄には,アルコール消毒液を用いる。
4 吸引チューブの洗浄水は. 24時間を目安に交換する。
5 吸引物は,吸引びんの70~80%になる前に廃棄する。
★問題112正解=5
◆◆解説◆◆
問題 112 正解は 5 といたします
数字がちなむと、むずかしいですね。
これは、
厚生労働省がしめす、喀痰吸引研修における通常手順の中で、
明記されています。
問題113
経管栄養の実施時に,冷蔵庫に保管していた栄養剤を指示どおりの温度にせずにそのまま注入したときに起こる状態として,最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
1 呼吸困難
2 胃ろう周囲のびらん
3 下痢
4 褥瘡
5 低血糖
★問題113正解=3
◆◆解説◆◆
問題 113 正解は 3 といたします
冷たい注入液は腸の動きを活発にし、水分吸収が不十分なまま、
腸内を通過するため、下痢の原因になります
冷蔵庫から取り出して、常温にもどしておくことが
ベストですね。
第32回介護福祉士国家試験 試験問題と解答解説 目次
・【問題001~2】 全2問 人間の尊厳と自立
・【問題003~4】 全2問 人間関係とコミュニケーション
・【問題005~16】 全12問 社会の理解
・【問題017~26】 全10問 介護の基本
・【問題027~34】 全8問 コミュニケーション技術
・【問題035~60】 全26問 生活支援技術
・【問題061~68】 全8問 介護過程
・【問題069~76】 全8問 発達と老化の理解
・【問題077~86】 全10問 認知症の理解
・【問題087~96】 全10問 障害の理解
・【問題97~108】全12問 こころとからだのしくみ
・【問題109~113】全5問 医療的ケア
・【問題114~125】全12問総合問題