第19回精神保健福祉士国家試験問題30

第19回介護福祉士国家試験問題解説

(精神保健福祉相談援助の基盤・事例問題1)
次の事例を読んで,問題30から問題32までについて答えなさい。

〔事 例〕
 ある日,精神保健福祉センターに勤務するE精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)
(以下「E相談員」という。)のもとに,Fさん(35歳,女性)が相談に訪れた。来所目的
を尋ねると,「夫のことで困っているんです。誰にも話せないと思っていましたが,
裁判でお世話になった弁護士にこちらを紹介され,勇気を出して相談に来ました」と小
さな声で話した。夫のGさん(35歳)は,薬物所持で起訴されて執行猶予の判決を受け,
現在は仕事を辞めて自宅にいるという。E相談員は,「夫は相談に一緒に来ようとも
しないし,どうしてよいか分からない」と涙を流すFさんの話を聞いた。(問題30)

 Fさんは,「これからどうなるか分からないけれど,夫のために,妻としてできる
ことは頑張りたい」と話し,「二度と薬物に手を出さないよう,監視するのが妻の責任
だと思います」と厳しい表情を見せた。このようなFさんに対して, E相談員は相談
を継続することと,精神保健福祉センターで開催している心理教育を中心とした家族
教室への参加を提案した。(問題31)

 それから約3か月が経過したある日,Fさんは夫のGさんを伴って相談に訪れた。
E相談員がGさんに来所の理由を尋ねると,「妻が非常に心配しているので,安心さ
せるために仕方なく来ただけです。精神科病院では薬物依存症と診断されましたが,
自分は病気だと思っていません。もう二度とクスリは使用しない自信もあるので,相
談の必要は感じていないです]とぶっきらぼうに答えた。
 Fさんが家族教室に参加したり. E相談員との相談を繰り返す中でGさんも徐々に
心を開き,「早く以前のように働いて妻を安心させたいけれど,今仕事を始めるとス
トレスがたまって,またクスリに逃げてしまう気がする。最近,気が付いたらクスリ
のことを考えているときがあり,正直このままやめ続ける自信がない」と複雑な思い
を口にするようになった。(問題32)

問題30 この段階のFさんに対するE相談員の対応として,適切なものを1つ選びなさい。
  

1 失業に伴う経済的な困窮を避けるため,早く就職させるよう伝えた。

2 これからのことを一緒に考えたいので,もう少し話を聞かせて欲しいと伝えた。

3 直接話を聞きたいので,本人を連れてくるよう伝えた。

4 再犯の可能性が高いので,早く離婚の手続きをとるよう伝えた。

5 薬物依存症という病気であり,治療が必要であると伝えた。

◆解答解説

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