第32回介護福祉士試験問題解説 問題17-26 【領域:介護】介護の基本
領域:介護
介護の基本
問題 17
Fさん(72歳,女性,要介護2)は,中等度の認知症(dementia)があり自宅で夫と俳活している。
ある日,訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると,夫が散乱したコーヒー豆を片づけていた。
Fさんは,「わからなくなっちゃった」と言っていか。訪問介護員(ホームヘルパー)が夫に事情を聞くと「今も、日課でコーヒーを豆から挽いて入れてくれるんだが,最近は失敗することが多くなって,失敗すると自信を失ってしまうしね。
でも,毎朝,『コーヒーを入れなくちゃ』と言うんだ」と寂しそうに話した。
訪問介護員(ホームヘルパー)の夫への助言として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「そばにいて,Fさんと一緒にコーヒーを入れてはどうですか」
2 「Fさんと一緒に,喫茶店にコーとーを飲みに行ってはどうですか」
3 「おいしいコーヒーを買ってきて二人で飲んではどうですか」
4 「私かFさんからコーヒーの入れ方を教えてもらいましょうか」
5 「新しいコーヒーメーカーを買ってはどうですか」
★問題17正解=1
◆◆解説◆◆
解説不要ですね。
問題 18
Gさん(80 歳女性,要介護3)は,脳卒中(stroke)の後遺症により左片麻痺があり,からだを思うようにコントロールができず,ふらつきが見られる。以前は、2凋.間に一度は美容院で長い髪をセットしてもらい.俳句教室に行くのを楽しみにしていた。病気になってからは落ち込むことが増え,介護が必要になったため,介護老人福祉施設に入所した。
ノーマライゼーション(normalization)の考え方を踏まえた,Gさんへの生活支援として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 洗髪しやすいように。長い髪のカットを勧める。
2 共同生活のため,夕食は施設の時間に合わせてもらう。
3 落ち込んでいるため、居室での生活を中心に過ごしてもらう。
4 おしゃれをして,施設の俳句クラブに参加するように勧める。
5 転倒予防のため,車いすを使用してもらう。
★問題18正解=4
◆◆解説◆◆
ここも、文句なしの、設問4、一択で。
問題 19
I C F (International Classification of Functioning, Disability and Health :国際生活機能分類)の視点に基づく環境因子と心身機能の関連を表す記述として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 電気スタンドをつけて,読書を楽しむ。
2 車いすを使用して,美術館に行く。
3 聴力が低下すると,コミュニケーションがうまくとれない。
4 ストレスが溜まると,活力が低下する。
5 床面の性状が柔らかいと,バランスを崩す。
★問題19正解=5
◆◆解説◆◆
専門用語にまどわされず。
難しくとらえすぎずに。
『環境因子』 と 『心身機能』の組みあわせになっている
設問をさがしてみますと・・・
じゃじゃーーーん。
もう、わかっちゃいましたよね。
問題 20
Hさん(80歳,女性,要介護I)は,アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)である。20年前に夫が亡くなった後は,ずっと一人暮らしをしている。これまでの生活を続けていきたいので,訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することにした。訪問介護員(ホームヘルパー)のHさんへの対応として,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Hさんの意向を確認して,今までどおり畳で布団の使用を継続した。
2 入浴後,手ぬぐいで体を拭いていたが,バスタオルに変更した。
3 訪問介護員(ホームヘルパー)の判断で,食事の前にエプロンをつけた。
4 整理整頓のために,壁に立てかけてあった掃除機を押し入れに片づけた。
5 Hさんの気持ちを切り替えるために,家具の配置を換えた0
★問題20正解=1
◆◆解説◆◆
認知症の症状や、進行具合などがわかりませんが、
ヘルパーさんを受け入れ可能で、サービス利用ができる
状況ととらえれば、設問1が、花丸。
問題 21
「平成30年版高齢社会白書」(内閣府)で示された65歳以上の者の家庭内事故の発生割合が最も高い場所(屋内)として,正しいものを1つ選びなさい。
1 階段
2 台所・食堂
3 風呂場
4 トイレ
5 居室
★問題21正解=5
◆◆解説◆◆
これは、迷いますね。
階段かな?
お風呂かな?
たくさん学習を続けておられるからこそ、
いろいろな悲しいシーンが浮かんでしまうと
おもいます。
ただし。
よく読むと。
あくまで。
事故・発生・率割合です。
死亡事故ではありません。
ここ、ひっかけですね。
医療機関ネットワーク事業の参画医療機関から、国民生活センターに
提供された事故情報によりますと、事故の発生場所は、
『居室』が、45・0パーセントと最も多く、
ついで、
『階段』が18・7%、
『台所・食堂』17・0パーセントと
なるそうです。
長い時間過ごす場所・・・と考えれば、
納得ですね。
問題 22
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)での介護に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 テレビのニュースを見て,新しい出来事を覚えてもらう。
2 利用者それぞれの要求には応えられないので,同じ日課で過ごしてもらう。
3 利用者の,現在よりも過去の身体的・精神的状態の把握が優先される。
4 利用者の、なじみのある人や店との関係は継続していく。
5 環境に慣れるまでは,車いすでの移動を勧める。
★問題22正解=4
◆◆解説◆◆
グループホームで御仕事なさっておられる受験生さんは、
憤慨しちゃう設問ばかりで、びっくりかも。
問題 23
訪問介護事業所のサービス提供責任者の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者の生活課題に沿って,居宅サービス計画書を作成する。
2 具体的な援助目標及び援助内容を記載した訪問介護計画書を作成する。
3 利用者の要望に応じて,他の事業所との利用調整を行う。
4 判断能力が十分でない人に対して,日常的な金銭管理を行う。
5 居宅サービス事業者を招集して,サービス担当者会議を開催する。
★問題23正解=2
◆◆解説◆◆
介護保険法において、各種サービスの設備基準、人員基準、
そして、サービスにおける基準は遵守すべき大切なものと
なります。
訪問介護における、サービス提供責任者の義務も、
その1つですね。
間題 24
介護の実践における多職種連携に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 医師が多職種連携の中心となる介護実践のことである。
2 民生委員やボランティアは,多職種連携のチームから除がれる。
3 医療と介護の連携とは,利用者の体調不良時に医療機関を受診させることを指す。
4 要介護度の改善を優先して,多職種連携によるケアプランを作成する。
5 利用者のケアの方向性に関する情報を共有して,課題の解決に取り組む。
★問題24正解=5
◆◆解説◆◆
このあたりで、早朝出発による睡魔に襲われそうですが
目を閉じて深呼吸。
気分リフレッシュで、追加点をあげてゆきましょう!
問題 25
介護福祉職の倫理に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護の技術が伴わなくても,利用者の要望を最優先に実施した。
2 利用者が求めた医行為は,実施が可能である。
3 個人情報の取扱いについて,利用者に説明して同意を得た。
4 暴力をふるう利用者を自室から出られないようにした。
5 業務が忙しかったので,施設の廊下で職員同士の打合せを行った。
★問題25正解=3
◆◆解説◆◆
過去の本試験では、何度も出題されているので、
受験勉強のなかで、介護福祉士倫理綱領も学ばれたことと
おもいます。
たくさんある、守るべき倫理のうち、
プライバシーの保護も、その1つです。
個人情報保護法も施行されましたので、ますます、
配慮が必要ですね。
問題 26
高齢者介護施設で, MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者が確認されたときの対応に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 入所者全員の保菌の有無を調べる。
2 接触感染予防策を実施する。
3 保菌者のレクリエーションへの参加を制限する。
4 保菌者は最初に入浴する。
5 通常用いられる消毒薬は無効である。
★問題26正解=2
◆◆解説◆◆
施設ご勤務の受験生はご存知だと思います。
一度詳細をご確認ください。
保菌者への差別的取り扱いに留意することが記載されています。
「高齢者介護施設における感染対策マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/dl/130313-01.pdf
第32回介護福祉士国家試験 試験問題と解答解説 目次
・【問題001~2】 全2問 人間の尊厳と自立
・【問題003~4】 全2問 人間関係とコミュニケーション
・【問題005~16】 全12問 社会の理解
・【問題017~26】 全10問 介護の基本
・【問題027~34】 全8問 コミュニケーション技術
・【問題035~60】 全26問 生活支援技術
・【問題061~68】 全8問 介護過程
・【問題069~76】 全8問 発達と老化の理解
・【問題077~86】 全10問 認知症の理解
・【問題087~96】 全10問 障害の理解
・【問題97~108】全12問 こころとからだのしくみ
・【問題109~113】全5問 医療的ケア
・【問題114~125】全12問総合問題