第29回介護福祉士国家試験問題解説 問題71
第29回介護福祉士国家試験問題解説
問題71
高齢者の薬物代謝に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。
1 消化管からの薬剤の吸収力は低下する。
2 肝臓での薬剤の代謝に要する時間が短縮する。
3 腎臓からの薬物排泄量は増加する。
4 脂溶性薬剤の蓄積は起こりにくくなる。
5 複数の薬剤間の相互作用が起こりやすい。
◆解答解説
問題71
正解は、5と、します
加齢に伴い、臓器の生理機能も変化することは、皆さまも御存知のとおりですよね。
複数の疾病をもつことが多い高齢者では、お薬も必然的に多くなります。
ということは!! 薬物による有害作用もアップしてしまうことになるのですね。
一般成人ならOK!な通常量の薬物であっても、高齢者では、薬物の代謝や排泄機能の
低下により、身体が『過剰』ととらえてしまうことがあるため注意が必要です。
口から入ったお薬は、胃に入り、そこから、胃液や小腸壁に存在する酵素の働きを受けるの
ですが、高齢者では無酸症が多いこと、ヘリコバクターピロリ菌陽性者が多いことなどから
中毒症状を呈してしまうことがあります。
また、加齢による消化運動の低下により、お薬が長くとどまることにより、吸収が増加する
場合もあります。
★ このことから、設問1は、却下に。
高齢者では、肝臓の重量や血流量が低下するため、薬の代謝速度は【遅く】なります。
そのため、薬が蓄積され、作用の増大や持続を招くことがあるのですね。
★ よって、設問2も、却下に。
薬は、主に、腎臓から尿と一緒に排泄されます。高齢者では、腎臓の血流量や腎機能の低下
から、腎臓からの薬の排泄が遅くなり、身体に蓄積され、薬の作用の増強がみられます。
通常量のはずが、ききすぎてしまうのですね。
★ よって、設問3も、却下に。
脂溶性薬剤とは、お水に溶けにくい薬剤をいいいます。高齢者では、体内の水分量は減り、
脂肪成分は増加することから、血中濃度は低下し、お薬の持続が長引くこととなってしまい
ます。
★ よって、設問4も、却下に。
冒頭の文章に、もう1度戻って御読みいただくと、多剤併用による相互作用についての、
設問5が、選んでいただけたとおもいます。
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