第29回介護福祉士国家試験問題解説 問題1

第29回介護福祉士国家試験問題解説

問題1
Aさん(78歳,女性)は介護老人福祉施設で生活している。脳血管障害
(cerebrovascular disorder)による左片麻痺で,杖を使って歩行し,自力で移動し
ていた。Aさんは,廊下や食堂でいつも職員や他の利用者に声をかけ,誰にでも気
遣う人だった。ある日,食堂のいすに足が触れて転倒して,捻挫の痛みで歩くこと
ができなくなり,車いすでの移動になった。捻挫は1週間ほどで完治したが, Aさ
んは歩くことを拒み,現在でも車いすでの移動を続けている。Aさんは徐々に口数
も少なくなり,「歩くことが不安だ。周りに迷惑をかけてしまう」と言い,何に対し
ても消極的な様子がみられた。

Aさんに対する介護福祉職の関わりとして,最も適切なものを1つ選びなさい,

1 Aさんは口数が少ない様子なので,できるだけ話しかけないように心がける。

2 Aさんの自立を考えて,再び歩くことができるように何度も声をかける。

3 仲の良い利用者に,頑張って歩くように励ましてもらう。

4 Aさんの担当の介護福祉職に,再び歩くように説得してもらう。

5 食堂のテーブルやいすの配置を見直して,一緒に歩いてみようと働きかける。

 

◆解答解説
さまざまなご事情で御仕事から、ひととき離れての受験のかたもおいででしょう。御体調と
相談しながら、学習を続けたかた、御家族の介護を続けながらのかたも多くおられることと
存じます。皆さまの日々の御努力が、大きく、大きく、実を結びますように!!!

御住まいの地域によっては、昨夜は一晩中続く強風と怖い物音に、よく眠れず朝を迎えた
受験生さんもたくさんおいででしょう。

大雪・強風などで、会場までの道のりも、御苦労があったこととおもいます。

本当に、御疲れ様でした。無事に帰宅され、すこし御疲れが和らぎましたなら、当サイト
『解答速報・プチ解説』にも、ぜひ御目通しくださいね。

皆さまの、ナイスファイトに敬意を表しつつ、難しかった問題、気になる問題などなど、
御一緒にゆっくりと振り返らせていただければ幸いです。

後に続く後輩受験生さんのために、ぜひ、『解答番号』および『難易度アンケート』にも
御協力くださいますよう御願い申し上げます。

それでは、つたない文章でございますが、皆さまどうぞ宜しく御付き合い下さいませ。

① 【人間の尊厳と自立】

介護福祉士国家試験問題のトップを飾る科目は、もちろん、『人間の尊厳と自立』であります。

これ抜きでは、何も語れないくらい大切な大切な科目ですよね。どなたも丁寧に得点を重ねて
くださったこととおもいます。

過去の出題をふりかえってみますと、ずばり、社会福祉の歩んできた道・・・となっています。
日本国憲法第25条の生存権、老人福祉法、社会福祉法、障害者総合支援法、などなど。

ちょっぴり、【歴史的視線】も、学習には必要な科目といえそうですね。

問題1

正解は、5と、します。

転倒による痛み、突然の車椅子生活、周囲への気兼ね、ふたたび歩くことへの強い不安
孤独・・・

事例問題だと、わかっていても、Aさんの様子があたまに浮かんできそうな受験生さんが
多かったのではないでしょうか??

まずは1問目。 落ち着いて。落ち着いて。

しっかり文章を読んで正解を選んだら、丁寧に、かつ、迅速に、マークであります。

この際に、番号を間違えてマークしないように、また、見直し時間に、スムーズに
チェックできるように、選んだ解答番号を、問題用紙の問題番号上部などに、メモ
しておくといいですね。

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