第22回精神保健福祉士国家試験問題と解説 精神保健の課題と支援(11-20)

第22回精神保健福祉士国家試験問題と解説

 

精神保健の課題と支援

 

問題 11
 精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 歴史的に精神衛生を発展させた概念である。
2 精神疾患の一次予防を目的とした活動を意味し,治療を目的とする精神医療に対比する言葉として用いられる。
3 精神医学の領域に初めて予防の概念を取り入れたのはアメリカのピアーズ(Beers, C.)である。
4 精神疾患に罹患している人を対象とした訪問指導は,吉川武彦が提唱した3側面のうちの積極的精神保健に含まれる活動である。
5 全ての人々の精神的健康を保持・増進させていく活動を含む。

 

 

★解答15
★★解説★★

問題 12
 次のうち,セルフヘルプグループにおけるヘルパー・セラピー原則の説明として,正しいものを1つ選びなさい。

1 専門家が有する専門的知識と同等の体験的知識を取得すること
2 自らが他のメンバーを援助することによって自分自身に効果が生まれること
3 専門資格の取得を目指してグループに参加すること
4 主治医と共にグループミーティングに参加すること
5 自助具などの作成プログラムにより自立を目指すこと

 

 

★解答2
★★解説★★

問題 13
 次のうち. WHOが作成したものとして,正しいものを1つ選びなさい。

I DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)
2 WRAP(元気回復行動プラン)
3 ヘルシーピープル2010
4 メンタルヘルスアクションプラン2013-2020
5 THP(トータルヘルスブロモーションプラン)

 

 

★解答4
★★解説★★

問題 14
 ギャンブル等依存症に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 ギャンブル等依存症対策基本法では,ギャンブル等依存症問題啓発週間を設けることとされている。
2 GA(ギャンブラーズ・アノニマス)は,ギャンブル等依存症の民間治療施設である。
3 家族への支援を開始する際には,ギャンブル等依存症本人の同意を得ることが必須条件とされている。
4 ギャンブル等依存症対策基本法におけるギャンブル等には,法律の定めるところにより行われる公営競技だけでなく,ぱちんこ屋に係る遊技その他の射幸行為が含まれる。
5 ギャンブル等依存症対策基本法において,都道府県は,都道府県ギャンブル等依存症対策推進計画を策定しなければならないとされている。

 

 

★解答14
★★解説★★

問題 15
 犯罪被害者の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1「第3次犯罪被害者等基本計画」(警察庁)では,犯罪被害者等に関する専門職養成機関の設置計画が盛り込まれた。
2「平成29年度犯罪被害類型別調査」(警察庁)によると,殺人・殺人未遂または傷害等の暴力被害を受けた者のうち「重症精神障害相当の状態」にある者は約1割であった。
3 犯罪被害者等基本法において,犯罪被害者等とは,犯罪等により害を被った者及びその家族又は遺族とされている。
4「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」では,支援機関からの情報提供は被害者からの支援の要望を待つことが原則とされている。
5 全国被害者支援ネットワークに加盟している民間被害者支援団体は,市町村に各1か所ずつ存在する。

 

 

★解答3
★★解説★★

(注)「犯罪被害者に対する急性期心理社会支援ガイドライン」とは,平成24年度厚生労働科学研究「大規模災害や犯罪被害等による精神疾患の実態把握と対応ガイドラインの作成・評価に関する研究」において作成されたものである。

問題 16
 精神作用物質の乱用対策及び使用者への援助に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 有効な外来治療として,ワークブックとマニュアルを用いた集団認知行動療法プログラムが開発されている。
2 大麻は,麻薬及び向精神薬取締法で使用と所持が規制されている。
3 ハーム・リダクションとは,薬物使用を厳罰化することで,その流通量を減らすことを目的とした政策のことである。
4 薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部執行猶予制度とは,一定期間服役させた後,残りの期間を社会復帰促進センターで処遇するものである。
5 覚せい剤取締法違反は,「医療観察法」における重大な他害行為とされる6罪種の一つである。

(注)「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。

 

 

★解答1
★★解説★★

問題 17
 災害時の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 災害発生後48時間以内に被災者が呈する精神症状を心的外傷後ストレス障害(PTSD)という。
2 厚生労働省によって組織される専門的な研修・訓練を受けたチームを災害派遣精神医療チーム(DPAT)という。
3 重度の精神障害者のために考案された介入法をサイコロジカル・ファーストエイド(PFA)という。
4 被災者の治療優先順位を決める手法をデブリーフィングという。
5 被災者へのケア活動によって,被災を直接経験していない支援者に生じる外傷性ストレス反応のことを二次受傷という。

 

 

★解答5
★★解説★★

問題 18
 成人の勤労者を対象に,職場でのストレスの大きさ,職場でのサポートの程度及び抑うつ症状の重症度について,一定の尺度を用いた質問紙調査を行った。
 調査で得られた量的データを基に抑うつ症状を従属変数として,職場でのストレス及び職場でのサポートの二つの独立変数との関連性について分析を行った。
次のうち,上記のデータ分析方法の名称として,正しいものを1つ選びなさい。

1 カイ2乗検定
2 デルファイ法
3 重回帰分析
4 分散分析
5 因子分析

 

 

★解答3
★★解説★★

問題 19
 ドメスティック・バイオレンス(DV)に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 市町村には配偶者暴力相談支援センターの設置が義務づけられている。
2 婦人相談所は「DV防止法」で設置が規定された機関である。
3「DV防止法」において配偶者には,婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと定義されている。
4 配偶者暴力相談支援センターにおける相談件数は, 2014年度(平成26年度)以降,毎年10万件を超えている。
5 児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力は,「児童虐待防止法」において身体的虐待として定義されている。

 

 

★解答34
★★解説★★

(注)
1「DV防止法」とは,「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」のことである。
2「児童虐待防止法」とは,「児童虐待の防止等に関する法律」のことである。

問題 20
 周産期の精神保健に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 カンガルーケアとは,胎児の情緒的安定を目的とした母親の関わりのことである。
2 ベリネイタルロスとは,流産・死産・新生児死亡などの周産期における喪失体験のことである。
3 マタニティブルーとは,産後うつ病の別名のことである。
4 ダブルケアとは,NICU(新生児集中治療室)において愛着形成を促すことである。
5 マルトリートメントとは. DV被害を受けた妊産婦に対するケアのことである。

 

 

★解答2
★★解説★★

【専門科目】

精神疾患とその治療(1-10)

精神保健の課題と支援(11-20)

精神保健福祉相談援助の基盤(21-35)

精神保健福祉の理論と相談援助の展開(36-60)

精神保健福祉に関する制度とサービス(61-72)

精神障害者の生活支援システム(73-80)

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