第22回精神保健福祉士国家試験問題と解説 精神保健福祉に関する制度とサービス(61-72)

精神保健福祉に関する制度とサービス

問題 61 
精神医療審査会に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

 1 退院請求は,口頭では認められず,書面による請求が不可欠である。
 2 1合議体の委員数は,自治体が決定する。
 3 医療保護入院者の入院届の審査を行う。
 4 処遇改善請求の審査は,対象外である。
 5 精神科病院の所在する市町村に設置される。

 

 

 

★解答3
★★解説★★

問題 62 
次のうち,精神科病院の管理者が選任し,医療保護入院者の退院に向けた 相談支援を担う者として,正しいものを1つ選びなさい。

1 精神保健福祉相談員
2 相談支援専門貝
3 地域援助事業者
4 退院後生活環境相談員
5 生活支援員

 

 

 

★解答4
★★解説★★

問題 63 
次のうち,「障害者総合支援法」における障害支援区分の認定を前提とするものとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 行動援護の利用
2 障害基礎年金の受給
3 通所介護の利用
4 地域活動支援センターの利用
5 自立支援医療(精神通院医療)の受給
(注)「障害者総合支援法」とは,「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

 

 

 

★解答1
★★解説★★

問題 64 
精神保健参与員に関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 地方検察庁により任命される。
2 鑑定入院における鑑定書の内容に関する妥当性を審査する。
3 通院処遇時の指定通院医療機関との連絡・調整を行う。
4 厚生労働大臣が作成した名簿に基づき選ばれる。
5 入院処遇時におけるCPA会議に出席し,意見を述べる。

 

 

 

★解答4
★★解説★★

問題 65 
次のうち,「障害者総合支援法」に基づく自立支援給付に位置づけられる居住型の支援として,正しいものを1つ選びなさい。

1 福祉ホーム
2 共同生活援助(グループホーム)
3 更生施設
4 救護施設
5 自立更生促進センター

 

 

 

★解答2
★★解説★★

問題 66 
Jさん(36歳,男性)は,19歳の時に統合失調症を発症して精神科病院への入院経験がある。頻回な窃盗による逮捕歴があり,最終的には実刑判決を受けて服役した。服役中は適切な精神科治療を受けていたこともあって病状も落ち着いた刑期が終わる時期が近づいてきたが,身元引受人のいないJさんは出所後の生活基盤もなく,再出発は極めて困難なことが予測された。そこでJさんが服役している刑事施設は,保護観察所に特別調整を依頼した。その結果,Jさんは,法務大臣から事業の認可を受けて宿泊場所や食事の提供など,自立の準備に専念できる生活基盤を提供しているW施設へ,保護観察所の長の委託により入所が決まり,刑期満了日にそのまま入所となり再出発への道を歩み始めた。
次のうち, Jさんが入所したW施設として,正しいものを1つ選びなさい。

1 地域生活定着支援センター
2 宿所提供施設
3 自立準備ホーム
4 自立訓練(生活訓練)事業所
5 更生保護施設

★解答5
★★解説★★

問題 67
「医療観察法」における鑑定入院に関する次の記述のうち,正しいものを2つ選びなさい。

1 医学的観点から「医療観察法」に基づく入院による医療の必要性について意見をまとめる。
2 検査・診断のみならず,精神科治療も行われる。
3 「精神保健福祉法」で規定された指定病院において実施される。
4 入院期間は,原則4週間が限度とされている。
5 鑑定は,精神保健審判員が実施する。

(注)1「医療観察法」とは,「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
2「精神保健福祉法」とは,「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。

 

 

 

★解答12
★★解説★★

問題 68 
次のうち,厚生年金保険加入者で,障害厚生年金3級の障害よりやや程度の軽い障害が残ったときに支給されるものとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 療養給付
2 特別障害給付金
3 障害手当金
4 特別障害者手当
5 障害補償給付

 

 

 

★解答3
★★解説★★

問題 69 
次のうち,質的調査の方法として,適切なものを1つ選びなさい。

1 多変量解析法
2 コホート調査
3 エスノグラフィー
4 実験計画法
5 折半法

 

 

 

★解答3
★★解説★★

(精神保健福祉に関する制度とサービス・事例問題)
次の事例を読んで,問題70から問題72までについて答えなさい。
〔事 例〕
 Kさん(45歳,男性)はグループホームに居住している。Kさんは双極性障害を抱えているが,近頃,服薬が滞りがちになり不穏になっていた。先日,「確実に成功する事業を思い付いた。融資を頼むために銀行に行ってくる」と大声で騒ぐ状況となった。異変に気が付いたグループホームのスタッフになだめられながら,かかりつけの
精神科病院で精神保健指定医による診察を受けた。その結果,自傷他害のおそれはないものの医療と保護の観点から急速に入院が必要な状態と判断されたが. Kさんは入院には同意しなかった。唯一の身寄りである遠方に住む妹とはすぐには連絡が取れず,最終的に72時間に限った入院となった。(問題70)

 二日後,駆けつけた妹によって同意が得られ,入院形態が切り替わった。しかし,Kさんの不穏な状態は続いており,躁状態も治まらず,一般の病室では治療の継続が困難と判断され,やむを得ず,本人の意思では退出することができない個室において,12時間以上の治療処置がなされることとなった。(問題71)

 Kさんには,その都度入院に関する説明が行われていたが,状況は十分には把握できていないようで,担当となったL精神保健福祉士に対して,「何で入院しなければならないんだ」と立腹していた。

 入院から3週間後,薬物療法によってKさんの病状は落ち着き,通常の閉鎖病棟の一室に移った。Kさんの病状が安定してきたこともあり,入院について改めて説明する機会を設けることとなった。L精神保健福祉士は医師と共にKさんのところに行き,今回の経緯と,入院中の諸権利に関する文書について時間をかけて丁寧に説明した。
(問題72)

 Kさんは完全には納得していないようだったが,「ともかく,こうやって入院中にできることと,できないことを話しに来てくれたのは一応よかったです」と語ってくれた。

問題 70 
次のうち,この入院形態に関する記述として,正しいものを1つ選びなさい。

1 都道府県知事の権限によって行われる。
2 定期病状報告を提出しなければならない。
3 市町村長の同意による入院が可能である。
4 緊急その他やむを得ない場合には,入院の必要性を判定する診察は,特定医師でも可能である。
5 地方裁判所の裁判官の命令によって行われる。

 

 

 

★解答4
★★解説★★

問題 71 
次のうち,この処置の要否の判定を行うものとして,正しいものを1つ選びなさい。

1 都道府県知事
2 精神保健指定医
3 行動制限最小化委員会
4 地方精神保健福祉審議会
5 特定医師

 

 

 

★解答2
★★解説★★

問題 72 
次のうち,この書面に含まれている内容として,適切なものを1つ選びなさい。

1 信書の発受について制限を受けること
2 都道府県その他の人権を擁護する行政機関職員との面会が病状に応じて制限を受けること
3 原則として開放処遇となること
4 退院の申出があっても72時間以内に限り入院継続もあり得ること
5 退院請求についての連絡先

 

 

 

★解答5
★★解説★★

【専門科目】

精神疾患とその治療(1-10)

精神保健の課題と支援(11-20)

精神保健福祉相談援助の基盤(21-35)

精神保健福祉の理論と相談援助の展開(36-60)

精神保健福祉に関する制度とサービス(61-72)

精神障害者の生活支援システム(73-80)

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ