解説 問題116(午後)
【午後 問題116】
次の文を読み115~117の問いに答えよ。
Aさん(35歳、男性、建設業)は、両親と3人で暮らしている。3年前の仕事中に屋根から転落して、第12胸髄を損傷した。1か月前から車で作業所に通い、作業中はほとんど車椅子に座っている。週1回の訪問看護を利用している。
Aさんは繰り返し使用できるカテーテルによる間欠的自己導尿を行っている。
排尿のセルフケアの指導として最も適切なのはどれか。
1.24時間の蓄尿を勧める。
2.カテーテルの挿入は無菌操作で行う。
3.急に発熱した場合は医師に連絡する。
4.カテーテルを補完するケースの消毒薬は週1回交換する。
【解説】
正解は、3とかんがえます。
間欠的自己導尿とは、1日に何回か、カテーテルを用いて、御自身で尿を排泄する方法ですね。
留置カテーテルと違って、生活上の制限もずっとすくなく、また、キットさえそろえておけば外出先などでも、導尿を行えますので、AさんのQOLの向上にも適切です。
けれど・・・
患者さんや、その御家族だけで、毎回、完全に無菌操作というのは、困難な場合も多いもの。
そのため、非無菌操作であっても、定期的に導尿をおこなっていて、膀胱の内圧上昇と、過伸展を起こさせないようにつとめれば、感染のリスクは下げられるとの考えが一般的なようです。
膀胱内に、尿を貯めすぎないことこそ、もっとも有効な感染防止策とされます。
Aさんの場合は、『清潔間欠性自己導尿』という方法を選んでおられることになります。
問題文中には、繰り返し使用できるカテーテル・・・とありますので、無菌された状態でないことは明らかですよね。
この場合においても、保管方法はすくなくとも、2日に1回程度の、保存液などの交換が望ましいでしょう。
週1回の、訪問看護サービスも利用されていますので、水分コントロールなどもチェックしていただくといいですね。