歯科医師国家試験 禁忌肢　試験対策

禁忌肢問題というのは歯科医ならば絶対に間違えてはいけない問題のことです。もし間違えてしまうようだと、将来歯科医になったときに事故につながってしまうような問題になっています。優秀な歯科医になれるか見極めるための問題というよりは、危険な歯科医をふるい落とすための問題と言えます。(禁忌肢問題は、厚生労働省からの公開はありません)

禁忌肢問題は決められた回数以上に間違えてしまうと、他の問題の正答率がどれだけ高くても不合格になります。もちろん、禁忌肢問題は難易度的には全く難しいものではなく、普通の受験者なら間違えることはありません。ただ、試験のときに集中力が切れていたりすると、うっかり間違える可能性もありますのでくれぐれも注意してください。

これが過去の禁忌肢問題例(厚労省からの発表はありませんので、100%禁忌肢問題とは言えませんが・・・)

顎下隙に到達するための切開部位の写真を以下に示す。
適切なのはどれか。１つ選べ。
a)　ア　b)　イ　c)　ウ　d)　エ　e)　オ

選択肢　a)　ア　が禁忌肢
顔面動脈を損傷する危険が大きいため

齲蝕象牙質の除去に用いるもので適切なのはどれか。全て選べ。

a)　EDTA
b)　水酸化ナトリウム
c)　スチールバー
d)　炭酸ガスレーザー
e)　Er：YAGレーザー

選択肢　b)　水酸化ナトリウム　が禁忌肢
水酸化ナトリウムは、強アルカリ性であり、口腔内での使用は危険

17歳の男子。自閉症。下顎左側第三大臼歯の抜歯を日帰り全身麻酔下で午前中に実施することとした。
麻酔管理で適切なのはどれか。1つ選べ。

a)　当日の朝食は摂取させる。
b)　前投薬で麻酔前に深鎮静を得る。
c)　マスクで気道管理をする。
d)　局所麻酔を併用する。
e)　水分摂取は帰宅後に開始させる。

選択肢　 a)　当日の朝食は摂取させる。　が禁忌肢
胃内容物の逆流を防ぐ必要から、当日朝の摂食は不適切

37歳の男性。下顎右側第一小臼歯の歯肉の腫脹を主訴として来院した。2年前からうつ病で三環系抗うつ薬を服用している。腫脹切開のためにアドレナリン含有2%塩酸リドカインによる浸潤麻酔を行ったところ、循環機能に異常が認められた。
投与すべき薬物はどれか。1つ選べ。

a)　β受容体刺激薬
b)　カルシウム拮抗薬
c)　ベラドンナアルカロイド
d)　モノアミン酸化酵素阻害薬
e)　選択的セロトニン再取込み阻害薬

選択肢　 a)　β受容体刺激薬　が禁忌肢
血圧の上昇がみられている状況で、β受容体刺激薬投与は不適切

50歳の女性。下顎左側大臼歯部の審美障害を主訴として来院した。支台歯型形成後の写真を以下に示す。
支台歯の被着面に行うのはどれか。2つ選べ。

a)　スズ電析処理
b)　フッ化水素酸処理
c)　電解エッチング処理
d)　シランカップリング処理
e)　デンチンプライマー処理

選択肢　b)　フッ化水素酸処理　が禁忌肢
フッ化水素酸は強酸性であり、口腔内での使用は危険である。

1歳5か月の女児。下顎右側乳臼歯部の腫脹を主訴として来院した。3日前から気付いていたが、発熱や食欲不振などがみられないため放置していたという。波動を触知する。初診時の口腔内写真Aとエックス線写真Bを以下に示す。
適切な対応はどれか。1つ選べ。

a)　切開
b)　経過観察
c)　抗菌薬の投与
d)　原因歯の抜去
e)　内容液の穿刺吸引

選択肢　d)　原因歯の抜去　が禁忌肢
発熱や食欲不振などの全身症状がみられず、エックス線写真からも歯周組織の異常所見がみられないため、原因歯の抜去は大変不適切である。

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