第31回介護福祉士試験問題 解答解説 問題97-108 こころとからだのしくみ
午後問題
第31回介護福祉士国家試験問題97-108
こころとからだのしくみ
第31回介護福祉士国家試験問題無料解答解説
★【問題97】
ライチャー。ド(Reichard、 S.)による老年期の性格類型において、円熟型に該当するものとして、適切なものを1つ選
びなさい。
1 自分の過去に対して自責の念を抱く。
2 年を取ることをありのまま受け入れていく。
3 若いときの積極的な活動を維持する。
4 他者の援助に依存する。
5 責任から解放されることを好む。
問題97★★★解答2
解説
過去の本試験でも、何度か登場している、ライチャードによる、老年期の
性格類型。
目にするたびに、自分は将来どうなるかな・・・ などと、
つい、つい、想像してしまうものですが、
できれば、下記のような、『円熟型』にむかって、年をかさねたいもの。
年をとることを、ありのままに受け入れていく・・・
日常生活において思慮的、建設的、積極的で、家庭や対人関係に満足し、過去に対する
後悔も、将来に対する不安もない。
★【問題98】
臓器とその機能の組合せとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 肝臓グリコーゲン(glycogen)の貯蔵
2 膀胱尿の濃縮
3 小脳呼吸中枢
4 副腎インスリン(insulin)の分泌
5 心臓一ガス交換
問題98★★★解答1
解説
ライチャードの余韻が、一瞬で、吹き飛びましたね。
ここは、ゆっくりと、消去法で1点、積み上げたいところ。
『グリコーゲン』とは、
動物の肝臓・筋肉などに含まれる多糖類のひとつです。容易に、ブドウ糖に変わり、
動物のエネルギー源として重要な役割を果たします。
もちろん、われら、ヒト族でも、おなじです。
★【問題99】
唾液腺と唾液に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 副交感神経は唾液分泌を抑制する。
2 唾液分泌は食事摂取時に限られる。
3 耳下腺の導管は口腔底に開口する。
4 唾液には抗菌作用がある。
5 舌下腺は小唾液腺である。
問題99★★★解答4
解説
自浄作用、消化作用、粘膜保護・潤滑作用、粘膜修復作用、溶解・凝集作用、
再石灰化作用、ペーハー緩衝作用、 そして!! 抗菌作用まで。
これ、ぜーーーーんぶ、唾液の作用なのですね。
いやはや、お・み・そ・れ・い・た・し・ま・し・た
★【問題100】
良肢位に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)に最も支障が少ない姿勢である。
2 肘関節を伸ばした姿勢である。
3 つま先が下を向いた姿勢である。
4 拘縮を起こしやすい姿勢である。
5 クッションを用いた保持は避ける。
問題100★★★解答1
解説
良肢位と書いて、『りょうしい』と発音します。
これにより、たとえ、関節可動域に制限ができたとしても、日常生活動作への支障が
最小限におさえられる、関節の角度とされます。
肩の関節、股関節、膝関節、手関節などなど、それぞれの関節により、適切な角度や
向きなどがあります。
★【問題101】
胃ろうに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ろう孔周囲のびらんは、放置してよい。
2 ろう孔は、カテーテルの抜去後、およそ1時間で自然に閉鎖する。
3 カテーテルの交換は不要である。
4 ミキサー食の注入は禁止されている。
5 経口摂取も併用できる。
問題101★★★解答5
解説
『胃ろう』を造設する理由は、さまざまですが、
口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、
直接、胃に栄養を入れる、栄養投与の方法です。
おなかの皮膚から、腹壁を通じ、胃へと、『あな』をあけ、そこに、専用の器具を
設置するのですね。
胃ろうは、欧米で多く用いられている長期栄養管理法で、鼻からのチューブなどに
比べ、患者さんの苦痛や介護者の負担が少なく、喉などにチューブがないため、
お口から食べるリハビリや、言語訓練が行いやすいというメリットがあります。
★【問題102】
Dさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。糖尿病
(diabetes mellitus)があり、インスリン療法を受けている。2日前から風邪をひい
て、食事量が普段の半分程度に減っていたが、医師の指示どおりインスリン注射を
継続していた。介護福祉職が朝食をDさんに渡そうとしたところ、顔色が悪く、
「胸がどきどきして、ふわふわする」と話し、額には汗が見られた。
考えられるDさんの状態として、ただちに医療職に相談しなければならないものを1つ選びなさい。
1 発熱
2 脱水
3 低血糖
4 貧血
5 意識障害
問題102★★★解答3
解説
みなさまは、『シックデイ』という、ことばを耳にされたことがおありで
しょうか??
糖尿病の方は、ウィルスなどに対する抵抗力が低下しているため、さまざまな
感染症にかかりやすいと言われています。
糖尿病の方が、感染症にかかり、熱が出る・下痢をする・吐く、また食欲不振に
よって、食事ができないときのことを『シックデイ』(体調の悪い日)と言うの
ですね。
体調がすぐれず、
いつもどおりの御食事が摂取できいない、すなわち、決められたカロリーが摂取
できていないところに、さらに、インスリンで、追い討ちをかけたら・・・
生命の危機をも招く、低血糖状態となってしまいます。
★【問題103】
皮膚の乾燥に伴うかゆみに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 高齢者では、まれである。
2 水分摂取を控える。
3 顔面に好発する。
4 利用者の爪は短く切る。
5 皮膚をかくことで軽快する。
問題103★★★解答4
解説
かゆい → ちょこっとだけ、かいちゃおう → さらに、強いかゆみ発生
→ つめで、かりかりっとかいてしまう → かきこわし → 症状悪化。
無限ループ。
★【問題104】
入浴介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 家庭内での不慮の事故死のうち、入浴関連はまれである。
2 心臓に疾患のある人には、全身浴を勧める。
3 浴槽からの立ち上がりは、ゆっくり行う。
4 食後すぐの入浴を勧める。
5 入浴後、水分摂取は控える。
問題104★★★解答3
解説
さむーいこの時期。
あったかお風呂は、まさに、天国ですが。
同時に、『ヒートショック』の危険性も、増し、増し、です。
寒い脱衣所で、衣服をぜんぶ脱ぎ、冷たいタイルの浴室にはいって、
かけ湯も、ろこそこに、
とにかく、湯船に!! ということもあるでしょう。
寒さにより、末梢神経の収縮で、血圧は上昇、さらに、お湯につかって交感神経の
緊張により、血圧は、さらに、上昇となります。
ところが。
いい湯だなと、ご機嫌になるころには、血圧は低下にむかいます。
ここで、浴そうの中で、勢い良く立ち上がると・・・
そうですね。
血圧、変動しすぎ。
たいへん、きけんな行為となります。
寒い時期でなくても、浴室は、滑りやすく、また、衣服も着ていない状態のため、
けがをしやすい環境ですよね。
★【問題105】
排便の仕組みに関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 仰臥位は、排便しやすい姿勢である。
2 交感神経は、直腸の嬬動運動を促進させる。
3 食事をとると、便意はおさまる。
4 息を吐きながら腹圧を低下させると、排便は促される。
5 排便時には、外肛門括約筋を意識的に弛緩させる。
問題105★★★解答5
解説
医学的専門用語が並ぶと、なんだか、むずかしくなりますが、
みなさまが、トイレで、用を足されるシーンを思い描いてみて
いただけば、おのずと正解は、設問5に、なりそうですね。
★【問題106】
睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 加齢に伴って睡眠時間は短くなる。
2 睡眠障害の多くは遺伝性である。
3 過眠は睡眠時間が長くなることをいう。
4 睡眠中は体温が上昇する。
5 睡眠周期は約60分である。
問題106★★★解答1
解説
みなさま、貴重な追加点を、あげていただけましたか?
★【問題107】
睡眠に関する次の記述のうち、最も適切なものを|つ選びなさい。
1 高齢者の中途覚醒は、水分の摂りすぎが原因である。
2 レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome)は、下肢を動かすと症状が軽快する。
3 仰臥位で眠ると、いびきが改善する。
4 睡眠時間の確保には、寝だめが有効である。
5 熟睡するには、就寝前の飲酒が有効である。
問題107★★★解答2
解説
むずむずあし症候群という、世にもおそろしい別名をもつのが、
設問2に、登場する、、『レストレッグス症候群』。
むずむず脚症候群は、レストレスレッグス症候群、下肢静止不能症候群とも、
呼ばれ、脚(とくに、ふくらはぎ)のむずむず感のため、脚を動かさずには、
いられなくなる症状が特徴です。
原因として、脳の中で、神経どうしの連絡役となっている物質「ドパミン」の
機能異常や、鉄欠乏性貧血などドパミンを作るのに使われる鉄分の不足、遺伝、
そのほか、腎不全や妊娠などが関与していると考えられていますが、じつはまだ、
正確な原因は明らかになっていません。
不快感は、脚を動かすことにより、解消されることがおおく、
そのため、頻繁に脚を動かすことになって、深刻な不眠をもたらします。
また、睡眠障害は、不眠のほかにも高血圧や、糖尿病といった生活習慣病の引き金と
なり事故にもつながりかねないため、じゅうぶんな配慮が必要ですね。
★【問題108】
Eさん(75歳、男性)は、 2年前に肺がん(lung cancer)と診断されて、抗
がん剤治療を受けていたが、効果ががく1か月前に治療を中止した。その後、日常
生活に支援が必要となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになっ
た。訪問介護員(ホームヘルパー)は初回訪問を終えて帰ろうとした時に、いきなり
Eさんから、「もう来なくてもいい」と厳しい口調で言われた。また、「どうして私
だけが、がん(cancer)にならなければならないのか」という言葉も聞かれた。
Eさんの心理状態について、キューフラー・ロス(Kiibler-Ross、 E.が提唱した
心 理過程の段階として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 否認
2 怒り
3 取り引き
4 抑うつ
5 受容
問題108★★★解答2
解説
キューブラー・ロスは、死の受容過程を以下のように提唱しています。
第1段階・否認(否認と孤立)
死の運命の事実を拒否し、否定する段階です。周囲から距離をおくようになります
第2段階:怒り
死を否定しきれない事実だと自覚したとき、「なぜ私が死ななければならないのか」と
問い怒りを感じます
第3段階:取引
死の現実を避けられないかと、神」と取引をします
第4段階:抑うつ
何をしても「死は避けられない」とわかり、気持ちが滅入り、抑うつ状態になります
第5段階:受容
死を受容し、心にある平安が訪れます
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