第31回介護福祉士試験問題 解答解説 問題77-86 認知症の理解
午後問題
第31回介護福祉士国家試験問題77-86
認知症の理解
第31回介護福祉士国家試験問題無料解答解説
★【問題77】
介護老人保健施設に入所した認知症高齢者が、夜中に荷物を持って部屋か
ら出てきて、介護福祉職に、「出口はどこか」と聞いてきた。介護福祉職の対応に関
する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「今日はここにお泊りになることになっています」と伝える。
2 「もうすぐご家族が迎えに来るので、お部屋で待っていましょう」と居室に誘う。
3 「トイレですよね」と手を取って案内する。
4 「どちらに行きたいのですか」と声をかけて並んで歩く。
5 「部屋に戻って寝ましょう」と荷物を持って腕を取る。
問題77★★★解答4
解説
★【問題78】
夜中に、荷物を持った入所者さんから『出口はどこか??』とたずねられたら。
一瞬、ひるみますが。
ここで、
一方的に、制止したり。
押し問答になったり。
高圧的に説明したり。
ちからわざで止めたり。
無視したりといった、対応はどれも、NG ですよね。
安全の確認をしつつ、一緒に、ゆっくり館内を歩きながら、おはなしする。
ゆっくり、ゆっくり。
どなたも御存知のこととおもいますが、
高齢者の睡眠は、寝つきが悪く、眠りが浅くなって目覚めやすいのが特徴です。
認知症になると、それに加えて周囲の環境変化に弱くなりますので、それまでの生活と
条件が変わると不眠の原因になることがあります。
また、昼夜の区別がつかなくなったり、日中に活動せず、昼寝の時間が多くなったり
すると、昼夜逆転して、夜眠らずに動きまわることもあるとされます。
図は、 2016年(平成28年)「国民生活基礎調査」(厚生労働省)を基に、介護
保険制度における要介護者と要支援者の介護が必要となった主な原因の構成割合を
作図したものである。
AからEには、
・「関節疾患「」oint disease)」
・「高齢による衰弱」
・「骨折(fracture)・転倒」
・「認知症(dementia) 」
・「脳血管疾患(cerebro vascular disease) (脳卒中(stroke))」
のいずれかが該当する。
「認知症(dementia)」に該当するものとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 A
2 B
3 C
4 D
5 E
問題78★★★解答3
解説
御手元に、問題のグラフを御用意して、解説を参照くださいませ。
Aから、Eには、下記が該当します。
Aには、 脳血管疾患
Bには、 関節疾患
Cには、 認知症
Dには、 骨折・転倒
Eには、 高齢による衰弱
介護が必要となった、主な原因を、要介護度別にみますと、
要支援者では「関節疾患」が、17・2パーセントもっとも多く、
次いで「高齢による衰弱」が、16・2パーセントとなっています。
要介護者では「認知症」が、24・8パーセントでもっとも多く、
次いで「脳血管疾患(脳卒中)」が、18・4パーセントとなっています。
★【問題79】
認知症(dementia)の人を支援する施策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 認知症サポーターは、認知症(dementia)に対する正しい知識と理解を持ち、認知症(dementia)の人を支援する。
2 介護保険制度では、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)は、居宅サービスに位置づけられている。
3 認知症(dementia)と診断された39歳の人は、介護保険制度を利用できる。
4 介護保険制度では、認知症対応型通所介護は施設サービスに位置づけられている。
5 成年後見制度では、地域包括支援センターの社会福祉士が補助人、保佐人、成年後見人を選定する。
問題79★★★解答1
解説
受験生さんのなかには、じっつは、サポーターなんだもんね♪♪と
いうかたも、おられるかもですね。
★【問題80】
加齢による物忘れと比べたときの、認知症(dementia)による物忘れの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 見当識障害はない。
2 物忘れの自覚はない。
3 物忘れが進行しない。
4 日常生活に明らかな支障はない。
5 体験の一部分だけを思い出せない。
問題80★★★解答2
解説
むかし、むかしの、ドラマなどで、
お嫁さんが、ごはんをたべさせてくれない・・・と、
おしゅうめさんが、周囲にふれてまわるといった、場面が
ありましたが、当時はまだ、認知症について、ただしく理解されて
いなかったような。
お食事をすませたことを、わすれてしまうのですね。
加齢にともなう物忘れとの相違点の1つとして、認知症では、物忘れの自覚が
ないことがあげられます。
★【問題81】
認知機能障害に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 記憶障害では、初期から手続き記憶が障害される。
2 見当識障害では、人物の認識は障害されない。
3 失行では、洋服をうまく着られなくなる。
4 失認は、視覚や聴覚の障害が原因である。
5 実行機能の障害では、 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)は障害されない。
問題81★★★解答3
解説
『失行』とは・・・
手や足など、運動を行う体の器官を、運動器といいます。
運動器に異常がないのに、身につけた一連の動作を行う機能が低下することを
失行(しっこう)といいます。
手足に麻痺などはなく、動かすことができるけれど、いつも締めていたネクタイを
締められなくなってしまうとか、
うがいをして水を吐き出すという、一連の動作ができなくなってしまうのですね。
認知症では、洋服などを、きちんと(身だしなみとして)着れなくなる、
着衣失行が、みられるとされます。
洋服を着る順番が、わからなくなり、上着の上に、肌着を着てしまうことなども
あるのですね。
もんだい 81
『失行』とは・・・
手や足など、運動を行う体の器官を、運動器といいます。
運動器に異常がないのに、身につけた一連の動作を行う機能が低下することを
失行(しっこう)といいます。
手足に麻痺などはなく、動かすことができるけれど、いつも締めていたネクタイを
締められなくなってしまうとか、
うがいをして水を吐き出すという、一連の動作ができなくなってしまうのですね。
認知症では、洋服などを、きちんと(身だしなみとして)着れなくなる、
着衣失行が、みられるとされます。
洋服を着る順番が、わからなくなり、上着の上に、肌着を着てしまうことなども
あるのですね。
★【問題82】
軽度認知障害(mild cognitive impairment)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 記憶力の低下の訴えがある。
2 日常生活に支障がある。
3 認知症(dementia)の一種である。
4 C D R (Clinical Dementia Rating)のスコアが2である。
5 全般的な認知機能が低下している。
問題82★★★解答1
解説
テレビのバラエティー番組や、健康番組などでも取り上げられ、がぜん、
脚光をあびるようになった、『軽度認知障害』。
軽度認知障害は、認知症の一歩手前の状態で、
MCI(MILD COGNITIVE IMPAIRMENT)とも呼ばれます。
認知症における物忘れのような、記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と
認知症の中間ととらえると、わかりやすいでしょう。
MCI の定義のひとつに、以下があります。
◆ 記憶障害の訴えが、本人、または、家族から認められている
★【問題83】
抗認知症薬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 貼付剤はない。
2 非薬物療法との併用はしない。
3 段階的に投与量を減量していく。
4 副作用として悪心や下痢が生じることがある。
5 A D L (Activities of Daily Living : 日常生活動作)が改善することはない。
問題83★★★解答4
解説
治療のために必須のお薬であっても、ざんねんながら、つらい副作用が生じる
ことがあるのは、みなさまも御存知のとおりですよね。
たとえば、アルツハイマー病治療薬である、『アリセプト』では、
副作用として主に見られるのが、「吐き気・嘔吐・食欲不振・下痢・興奮」などの症状です。
また、脳内のドーパミン量を増加する作用があるため、せん妄などが引き起こされる可能性も
あるとされます。
★【問題84】
認知症(dementia)の原因となる疾患と、特徴的な行動・心理症状(BPSD)の組合せとして、適切なものを1つ選びな
さい。
1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)一幻視
2 血管性認知症(vascular dementia)抑うつ
3 レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies)人格変化
4 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)もの盗られ妄想
5 クロイツフェルト・ヤコブ病(Creutzfeldt-Jakob disease)徘徊
問題84★★★解答2
解説
血管性認知症では、抑うつ状態になったり、その場の状況に関係ない感情 (突然泣き出したり
笑い出したりする)を表したりすることもあります。
また、加速歩行」といったパーキンソン病によく似た症状も出ます(これを、脳血管性
パーキンソニズムといいます)。
血管性認知症は、アルツハイマー病と比較すると、記憶障害(認知障害)や人格障害は軽度な
傾向にありますが、遂行機能低下と抑うつ症状・感情失禁などの精神症状は、より高度だと
考えられています。
膨大な学習量を必要とする、介護福祉士国家試験。
おぼえても、おぼえても、さいげんなくて・・・。
暗記は、2つ以上の動作を同時に行なうと、より、効果があるのだ
そうです。
声にだして、暗唱しながら、ペンで、紙に書く・・・といった具合
です。
よろしかったら、おためしを。
★【問題85】
重度の認知症高齢者の胃ろう栄養法に関する支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 主治医が導入するかしないかを決定する。
2 家族が導入するかしないかを決定する。
3 本人の意向や価値観の把握に努め、本人にとっての最善を関係者で判断する。
4 成年後見人がいる場合、成年後見人が導入するかしないかを決定する。
5 看取り期には、介護福祉職の判断で胃ろう栄養法を中止する。
問題85★★★解答3
解説
解説不要ですよね!!
★【問題86】
認知症(dementia)の母親を献身的に介護している息子が、母親に怒鳴ら
れてたたきそうになった。それを見ていた介護福祉職の息子への対応に関する次の
記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「孝行息子のあなたが手を上げるなんて…」と注意する。
2 「行政に通報します」と告げる。
3 「認知症(dementia)だから怒鳴るのは仕方がない」と慰める。
4 「地域にある認知症(dementia)の人と家族の会を紹介します」と伝える。
5 「懸命に介護をして疲れていませんか」と話を聴く。
問題86★★★解答5
解説
母親が認知症であることを、うけとめることだってつらいのに。
そのあと、
介護を献身的におこなっておられる、息子さん。
ポキッと、こころが折れないように。
周囲のささえが、必要ですよね。
安心して、いろいろなことを話せる相手が、必要ですよね。
問題難易度アンケートページへ移動