第31回介護福祉士試験問題 解答解説 問題17-26 介護の基本

午前問題

第31回介護福祉士国家試験問題17-26

社会の理解

第31回介護福祉士国家試験問題無料解答解説

★【問題17】

2012年度(平成24年度)「高齢者の健康に関する意識調査結果」(内閣府)の
介護を受けたい場所に関する次の選択肢のうち、最も多かったものを1つ選びなさい。

1 「子どもの家で介護してほしい」

2 「介護老人福祉施設に入所したい」

3 「自宅で介護してほしい」

4 「病院などの医療機関に入院したい」

5 「民間の有料老人ホームなどを利用したい」

 

 

 

 

問題17★★★解答3

解説

各種統計に関する出題も、介護福祉士国家試験では頻繁に登場しています。

なかなか、チェックするのが難しい、受験生さん泣かせの出題ですが、

ここは、専門職の勘で、のりきっていただけたのでは??

平成24年度 『高齢者の健康に関する意識調査結果』についは、内閣府が、内容を公表して

おり、インターネットでも閲覧可能です。

一部、抜粋して、御紹介してみましょう。

◆◆ 介護を受けたい場所 ◆◆

「日常生活を送る上で,介護が必要になった場合,どこで介護を受けたいか」について

たずねたところ、

総数で、最も多いのは「自宅で介護してほしい」で、34・9%。

次いで「病院などの医療機関に入院したい」の 20・0%。と、

「介護老人福祉施設に入所したい」の 19・2%が、ほぼ変わらない割合で続き、

「介護老人保健施設を利用したい」が、11・8%などの順となっています。

性別にみると,「自宅で介護してほしい」は,女性の 29・1%よりも、

男性の 42.0%の方が、高くなっており、

一方,「病院などの医療機関に入院したい」では男性の 16・4%よりも、

女性の 23・0%の方が高くなっています。

★【問題18】

社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、適切なものを1つ選びなさい。

1 家族介護者の介護離職の防止

2 医学的管理

3 日常生活への適応のために必要な訓練

4 福祉サービス関係者等との連携

5 子育て支援

 

 

 

 

問題18★★★解答4

解説

本試験では、幾度となく、登場してきた、介護福祉士の義務。

でも、設問として並んでしまうと、なんだか、迷うもの。

『社会福祉士及び介護福祉士法』から、抜粋して、御紹介してみましょう。

第四章 社会福祉士及び介護福祉士の義務等

(誠実義務)

第四十四条の二 

社会福祉士及び介護福祉士は、その担当する者が個人の尊厳を保持し、

自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立つて、誠実にその業務を

行わなければならない。

(信用失墜行為の禁止)

第四十五条 

社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉士又は介護福祉士の信用を傷つける

ような行為をしてはならない。

(秘密保持義務)

第四十六条 

社会福祉士又は介護福祉士は、正当な理由がなく、その業務に関して知り得た

人の秘密を漏らしてはならない。社会福祉士又は介護福祉士でなくなつた後においても、

同様とする。

(連携)

第四十七条 

社会福祉士は、その業務を行うに当たつては、その担当する者に、福祉サービス

及びこれに関連する保健医療サービスその他のサービス(次項において「福祉サービス等」と

いう。)が総合的かつ適切に提供されるよう、地域に即した創意と工夫を行いつつ、

福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。

2 

介護福祉士は、その業務を行うに当たつては、その担当する者に、認知症

(介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第五条の二に規定する認知症をいう。)で

あること等の心身の状況その他の状況に応じて、福祉サービス等が総合的かつ適切に

提供されるよう、福祉サービス関係者等との連携を保たなければならない。

(資質向上の責務)

第四十七条の二 

社会福祉士又は介護福祉士は、社会福祉及び介護を取り巻く環境の変化に

よる業務の内容の変化に適応するため、相談援助又は介護等に関する知識及び技能の向上に

努めなければならない。

いかがでしたか?

ぜひ、法律文全体も、ご覧になってみてくださいね。

★【問題19】

茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡
くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。 79歳の頃、定期的に実家を訪ねてい
た長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ、
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)と診断された。昨年
から小規模多機能型居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次
第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べる
と表情の乏しい時間が増えてきている。
介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を勧める。

2 夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。

3 長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。

4 心を落ち着かせるために、読書を勧める。

5 茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。

 

 

 

 

問題19★★★解答5

解説

解説不要ですよね!

認知症 イコール なにもわからない人 では ありません

★【問題20】

 

問題20★★★

Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年まで働いた。
Gさんは. 3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30歳)と一緒に暮らしている。週
に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくして
いる。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問
し、話し相手になっている。
最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗し
たりすることが多くなった。
介護福祉職が, Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF
(International Classification of Functioning, Disability and Health : 国際生活機能
分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)は、「心身機能・身体構造」にあたる。

2 レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。

3 近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。

4 小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。

5 トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。

 

 

 

 

解答2

解説

精査中です。

いましばらくの、御時間の猶予を・・・

★【問題21】

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 このサービスのオペレーターは、サービス提供責任者のことである。

2 利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる。

3 介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一分ある。

4 日常生活上の緊急時の対応は行っていない。

5 要支援者、要介護者のどちらも利用できる。

 

 

 

 

問題21★★★解答2

解説

もんだい 21

じつは。

介護保険制度における。

サービスの名称って。

なかなか、あなどれないもの。

出題の、『定期巡回・随時対応型訪問介護看護』であれば、

そのネーミングから、事業内容や、スタッフのイメージも想像できますし、

あたまに、介護予防とついていないことから、利用できるのは、

要介護者(要介護 1から5)かな?? って、推測できますよね。

択一問題では、

できるだけ早く、容疑者?を絞り込んで、あとは、じっくりと検証が

正解への近道です。

★【問題22】

防災に関する次の図記号が意味している内容として、正しいものを1つ選びなさい。

 

1 避難所

2 避難場所

3 土石流注意

4 地滑り注意

5 津波注意

 

 

 

 

問題22★★★解答2

解説

ピクトグラム(絵記号)、すっごい得意!!

そんな受験生さん、少数派ではないでしょうか??

しかも。

絶妙すぎる絵で。

えらべないんですけど。

しかーーし。

各種国家試験にも、近年は、ちょくちょく登場していますので、

得意技に持ち込むべき案件かもです。

ピクトグラム(絵文字)は、

一見して、その表現内容を理解でき、日本語のわからない人にも

情報を伝えられるなど、年齢、国の違いを越えた、情報手段として有効とされます。

ピクトグラムは、国内においては「標準案内用図記号」として、

なんと!!

125項目が策定されており、そのうち、104項目が、JIS化(案内用図記号 JIS Z8210)されて

いるそうです。

不特定多数の人々が利用する、施設内の案内標記には、積極的に外国語併記にあわせて

ピクトグラムを使用することが推奨されるのも、納得ですね。

 

★【問題23】

介護福祉職の職務上の倫理に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 おむつ交換をスムーズに行うために、利用者の居室(個室)のドアを開けておいた。

2 訪問介護(ホームヘルプサービス)中に携帯電話が鳴ったので、電話で話しながら介護した。

3 ベッドから転落した利用者が「大丈夫」と言ったので、そのままベッドに寝かせた。

4 利用者から、入院している他の利用者の病状を聞かれたが話さなかった。

5 利用者が車いすから立ち上がらないように、腰ベルトをつけた。

 

 

 

 

問題23★★★解答4

解説

高いモラルがあってこそ、成り立つ職業の1つ。

それが。

介護の御仕事ではないでしょうか。

介護福祉士の職業倫理の向上、介護に関する専門的教育及び研究を通して、その専門性を高め、

介護福祉士の資質の向上と介護に関する知識、技術の普及を図り、国民の福祉の増進に寄与する

ことを目的として、

『公益社団法人日本介護福祉士会』が、設立されています。

日本介護福祉士 会倫理綱領を、御紹介してみましょう。

1995年1 1月17日 宣言

『前文』

私たち介護福祉士は、介護福祉ニーズを有するすべての人々が、住み慣れた地域において

安心して老いることができ、そして暮らし続けていくことのできる社会の実現を願っています。

 
そのため、私たち日本介護福祉士会は、一人ひとりの心豊かな暮らしを支える介護福祉 の

専門職として、ここに倫理綱領を定め、自らの専門的知識・技術及び倫理的自覚をもって

最善の介護福祉サービスの提供に努めます。

1 利用者本位、

自立支援介護福祉士はすべての人々の基本的人権を擁護し、一人ひとりの住民が心豊かな暮らしと

老後が送れるよう利用者本位の立場から自己決定を最大限尊重し、自立に向けた介護福祉サービスを

提供していきます。

2 専門的サービスの提供

介護福祉士は、常に専門的知識・技術の研鑚に励むとともに、豊かな感性と的確な判断力を培い、

深い洞察力をもって専門的サービスの提供に努めます。

また、介護福祉士は、介護福 祉サービスの質的向上に努め、自己の実施した介護福祉サービスに

ついては、常に専門職として の責任を負います。

3 プライバシーの保護

介護福祉士は、プライバシーを保護するため、職務上知り得た個人の情報を守ります。

4 総合的サービスの提供と積極的な連携、協力

介護福祉士は、利用者に最適なサービスを総合的に提供していくため、福祉、医療、

保健その他関連する業務に従事する者と積極的な連携を図り、協力して行動します。

5 利用者ニーズの代弁

介護福祉士は、暮らしを支える視点から利用者の真のニーズを受けとめ、それを代弁して

いくことも重要な役割であると確認したうえで、考え、行動します。

6 地域福祉の推進

介護福祉士は、地域において生じる介護問題を解決していくために、専門職として

常に積極的な 態度で住民と接し、介護問題に対する深い理解が得られるよう努めるとともに、

その介護力の強化に協力していきます。

7 後継者の育成

介護福祉士は、すべての人々が将来にわたり安心して質の高い介護を受ける

権利を享受で きるよう、介護福祉士に関する教育水準の向上と後継者の育成に

力を注ぎます。

★【問題24】

施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。

2 施設管理者の安全を第一に考える。

3 利用者の社会的な活動を制限する。

4 利用者に画一的なサービスを提供する。

5 安全対策は事故後に行う。

 

 

 

 

問題24★★★解答1

解説

これも、解説不要ですよね!!

みなさま、御一人、御一人が、

利用者さん、入所者さんの、安全を担っておられるのですね。

★【問題25】

介護老人福祉施設の感染対策に関する次の記述のうち,適切なものを1つ選びなさい。

1 感染対策のための委員会を開催することは任意である。

2 手洗いは,消毒液に手を浸して行う。

3 洗面所のタオルは共用にする。

4 入所者の健康状態の異常を発見したら,すぐに生活相談員に報告する。

5 おむつ交換は,使い捨て手袋を着用して行うことが基本である。

 

 

 

 

問題25★★★解答5

解説

★【問題26】

燃え尽き症候群(バーンアウト(burnout))の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 首から肩、腕にかけて凝りや痛みが生じる。

2 人格・行動変化や失語がみられる。

3 無気力感、疲労感や無感動がみられる。

4 身体機能の低下がみられる。

5 日中に耐え難い眠気が生じる。

 

 

 

 

問題26★★★解答3

解説

またしても。

ふりはば。

ひろっ。

でも。

とても。

たいせつな内容です。

『バーン・アウト』とは、

強い使命感や責任感を持って、人並み以上に仕事に取り組んでいた人が、あるときを境に、

ちょうど燃え盛っていた火が消えるように、急に意欲を低下させ投げやりになったりする

一連の症候群をさします。

『燃え尽き症候群』、『バーンアウト症候群』などとも、呼ばれますね。

うつ状態・意欲の減退・ストレス性の身体症状・感情の枯渇・自己嫌悪・思いやりの喪失など、

さまざまな兆候が現われてきます。

機能不全な行動が目立つようになり、出勤が困難になり、家庭生活などに影響が及んだり、

希死念慮(死にたいという欲求)が生じる場合もあるとされています。

うつ病に、似ているようですが・・・

うつ病の場合は、一貫した気分の落ち込みがあって、自分を罰する考えに集中します。

バーンアウトを背景にしたうつ状態は、以下のような特徴があるとされます。

◆ 自分を責めながらも、怒りの対象を持つ

◆ 罪悪感より絶望感や喪失感が大きい

◆ 取り返したいという願望や、自分をもっと評価してくれる人へのあこがれ

◆ 他の分野での活動に対する強い不安感

これもまた、解説不要でありましょう。

できれば、使用済みの使い捨て手袋の廃棄手順も、しっかり決めて

おきたいものですね。

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