第21回精神保健福祉士国家試験問題解説 専門科目 精神保健の課題と支援(問題11-問題20)

第21回精神保健福祉士国家試験問題解説 

専門科目 精神保健の課題と支援  (問題11-問題20)

 

★【問題11】

ストレスに関連する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 急性ストレス反応とは、被災や被害後、症状が1か月を超えて持続するものである。

2 ライフイベントとは、並外れた脅威や破局的な性質の体験のことである。

3 ストレッサーとは、外部からの刺激によって生ずる歪みのことである。

4 バーンアウトとは、逆境を跳ね返して生きる力のことである。

5 ストレスコーピングとは、個人が有するストレスへの対処方法のことである。

 

 

 

 

 

問題11★★★解答5

解説

設問1の、急性ストレス反応では、

強烈な身体的、あるいは精神的なストレスに対する反応で、症状は通常、数分以内に

激しい症状が出現するとされています。

そして、その症状は一過性で、数時間から数日以内に消失することが大半とのこと。

すべての人々に同様の症状が見られるわけではなく、個体の脆弱性や対処能力といった

要因も関与しています。

ストレスとなる要因は自然災害、事故、戦闘、暴行、強姦など、生命や身体に対する

圧倒的な脅威であったり、肉親との死別や、自宅消失などの急激な人間関係や社会的

状況の変化の場合もあります。

数字にちなむ設問は、ひっかけの可能性・大!! ですね。

さて、設問5の、コーピングとは、

日常生活においてストレスを感じた時に、そのストレスと上手に向き合うための

技術や能力のことです。

コーピングの日本語訳は、『対処』。 

最初から、日本語で、言ってよおおおおおお! ですよね。

★【問題12】

グリーフケアに関する次の記述のうち、正しいものを2つ選びなさい。

1 悲嘆は正常な反応であることを伝える。

2 傾聴よりも励ますことが重視されている。

3 悲嘆が長期化したときは、精神保健の専門家の介入を検討する。

4 短期精神療法のことをいう。

5 遺族が悲しみを表現してから開始する。

 

 

 

 

 

問題12★★★解答13

解説

このあたりから、なんだか集中力が途切れてきて・・・

そんな受験生さんも、多かったかもしれないですね。

正しいものを、1つ選べだったり、2つ選べだったりと、思いがけない

ケアレスミスを誘う、絶妙の問題構成です。

あとで見直す際にそなえて、解答数がすぐわかるようにしておくことも

たいせつですね。

『グリーフ』とは、

グリーフ(GRIEF)

(死別などによる)深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆き。

そして、

『グリーフケア』とは、

身近な人と死別などして悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるよう

そばにいて支援すること。

一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う姿勢が大切といわれています。

★【問題13】

 「平成28年度公立学校教職員の人事行政状況調査」(文部科学省)における精神疾患による病気休職者の人数に関する次の記述のうち、
正しいものを1つ選びなさい。

1 平成19年度以降、5,000人前後で推移している。

2 身体疾患による病気休職者よりも少ない。

3 年代別では、20歳代が最も多い。

4 職種別では、校長が最も多い。

5 性別では、女性が男性の約2 倍となっている。

 

 

 

 

 

問題13★★★解答1

解説

ただいま、精査中です。

いましばらく、御時間の猶予を・・

★【問題14】

労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 休職者が職場復帰する際のストレス耐性を把握することが目的である。

2 労働者50人以上の事業場の事業者には、実施する努力義務がある。

3 保健師が検査の実施者となるためには、厚生労働大臣の定める研修を修了する必要がある。

4 事業者が個人の検査結果の提供を受ける場合は、検査結果を通知した後に個別に同意を取得する必要がある。

5 高ストレス者と判定された労働者は、医師による面接指導を受ける義務がある。

 

 

 

 

 

問題14★★★解答4

解説

ただいま、精査中です。

いましばらく、御時間の猶予を・・・

★【問題15】

次のうち、「性同一性障害特例法」における性別の取扱いの変更の審判をすることができる請求者の条件に含まれるものとして、正
しいものを1つ選びなさい。

1 カウンセリングを受けていること

2 自認する性としての実生活経験を有していること

3 ホルモン療法を受けていること

4 20歳以上であること

5 自認する性を公表していること

(注)「性同一性障害特例法」とは、「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」のことである。

 

 

 

 

 

問題15★★★解答4

解説

性同一障害特例法・・・と申したほうが、わかりやすいでしょうか。

一部抜粋ですが、取扱いの、変更に関する部分を御紹介してみましょう。

(性別の取扱いの変更の審判)

第三条 

家庭裁判所は、性同一性障害者であって次の各号のいずれにも該当するものについて、

その者の請求により、性別の取扱いの変更の審判をすることができる。

(一) 二十歳以上であること。

(二) 現に婚姻をしていないこと。

(三) 現に未成年の子がいないこと。

(四) 生殖腺せん がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。

(五) その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を

   備えていること。

★【問題16】

次のうち、2016年(平成28年)の自殺対策基本法改正によって新たに加えられた内容として、正しいものを2つ選びなさ。

1 精神科医の診療を受けやすい環境の整備

2 自殺未遂者の再企図防止のための施策

3 心理的負担を受けた場合の対処方法を身に付けるための児童生徒に対する教育

4 自殺者又は自殺未遂者の親族等への支援に必要な施策

5 都道府県及び市町村は、自殺対策計画を定めること

 

 

 

 

 

問題16★★★解答35

解説

改正による、ポイントとして・・・

設問5にあるように、

これまで基本計画の策定は都道府県が行っていたが、市町村にも義務付けられた

ことが、まずあげられます。

都道府県自殺対策計画、市町村自殺対策計画をそれぞれ、策定することになったの

ですね。

そして、もうひとつは・・・

第17条に該当する部分で、

心の健康の保持に係る教育・啓発の推進等となります。

②に、御注目ください!!

①  国民の心の健康の保持に係る施策として「心の健康の保持に係る教育及び

  啓発の推進並びに相談体制の整備、事業主、学校の教職員等に対する国民の

  
  心の健康の保持に関する研修の機会の確保」を規定

②  学校は、保護者・地域住民等との連携を図りつつ、各人がかけがえのない

  
  個人として共に尊重し合いながら生きていくことについての意識の涵かん養等に

  
  資する教育・啓発、困難な事態、強い心理的負担を受けた場合等における対処の

  
  仕方を身に付ける等のための教育・啓発その他児童・生徒等の心の健康の

  保持に係る教育・啓発を行うよう努める

★【問題17】

ひきこもり地域支援センターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法に規定された相談・支援機関である。

2 精神保健福祉センターに設置が義務づけられている。

3 対象者の年齢は34歳が上限である。

4 利用するには市町村、保健所や教育機関等からの紹介が必要である。

5 ひきこもり支援コーディネーターが配置されている。

 

 

 

 

 

問題17★★★解答5

解説

設問 3、4、5で、 迷いに迷った・・・ そんな受験生さんが多かったのでは

ないでしょうか?

ひきこもり地域支援センター設置運営事業に関する、厚生労働省の資料を御一緒に

みてみましょう。

ひきこもり地域支援センター設置運営事業とは、

ひきこもりに特化した、専門的な第一次相談窓口としての機能を有する

「ひきこもり地域支援センター」を都道府県、指定都市に設置し運営する事業です。

このセンターは、ひきこもりの状態にある本人や家族が、地域の中でまずどこに

相談したらよいかを明確にすることによって、より適切な支援に結びつきやすくする

ことを目的としたものであり、本センターに配置される社会福祉士、精神保健福祉士、

臨床心理士等ひきこもり支援コーディネーターを中心に、地域における関係機関

とのネットワークの構築や、ひきこもり対策にとって必要な情報を広く提供すると

いった地域におけるひきこもり支援の拠点としての役割を担うものです。

やはりここでも、数字にちなむ、ひっかけが登場していますね。

みなさま、御用心を!

★【問題18】

次のうち、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に定められているものとして、正しいものを2つ選びなさい。

1 対象となる精神障害者の定義

2 障害支援区分

3 国民の精神保健の向上を図ること

4 地域移行支援の給付

5 社会復帰調整官の役割

 

 

 

 

 

問題18★★★解答13

解説

ここはどなたも、クリアしてくださったとおもいます。

まずは、第一条 法律の『目的』として、以下のようにうたわれています。

この法律は、精神障害者の医療及び保護を行い、障害者の日常生活及び社会生活を

総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号)と相まつてその

社会復帰の促進及びその自立と社会経済活動への参加の促進のために必要な援助を行い、

並びにその発生の予防その他国民の精神的健康の保持及び増進に努めることによつて、

精神障害者の福祉の増進及び国民の精神保健の向上を図ることを目的とする。

さらには、第五条で、対象となるかたがたの定義が。

この法律で「精神障害者」とは、統合失調症、精神作用物質による急性中毒

又はその依存症、知的障害、精神病質その他の精神疾患を有する者をいう。

★【問題19】

問次の記述のうち、施設コンフリクトの説明として、正しいものを1つ選びなさい。

1 労働時間の増加した施設職員の生活満足度が低下すること。

2 福祉施設の新設に際して地域住民から反対運動が起こること。

3 同一施設内の部署間において意見対立が生じること。

4 施設職員が自身に求められる複数の役割間の矛盾に思い悩むこと。

5 特定の障害のバリアフリー化か他の障害にとっての新たなバリアとなること。

 

 

 

 

問題19★★★解答2

解説

コンフリクトとは・・・

意見、感情、利害などの衝突を意味します。

年末のTV番組で、何度も取り上げられていた、青山での児童施設建設問題も、

この一例でしょう。

社会福祉施設を新しく建てようとする時に、住民や地域社会が強い反対運動が

起こることも多々あります。

そのため建設計画がとん挫してしまったり、建てるかわりに大きな譲歩を

余儀なくされるという、施設と地域間での紛争を施設コンフリクトとよんで

います。

★【問題20】

次のうち、精神障害者保健福祉手帳の申請に対する判定業務を行う機関として、正しいものを1つ選びなさい。

1 保健所

2 都道府県社会福祉協議会

3 市町村保健センター

4 地方厚生(支)局

5 精神保健福祉センター

 

 

 

 

 

問題20★★★解答5

解説

 

手帳取得のための、申請手順等からはじまり、等級、扶助や優遇、支援などの

内容は、誰よりもわかりやすく説明できる!

これくらい、頑張って、熟知しておきたいところですね。

精神保健福祉センターとは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 第6条に

定められた精神障害者の福祉の増進を図るために設置された機関です。

都道府県単位、または政令指定都市に設置されている。都道府県によっては精神医療

センターと名前をつけているところもあります。

みなさまの、御住いの地域での名称は、いかがですか??

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