第30回介護福祉士試験問題 解答解説35-60 生活支援技術

第30回介護福祉士国家試験問題解答解説

生活支援技術

 

問題35

Bさん(87歳、女性)は夫(90歳)と二人暮らしである。Bさんには持病があり、夫は脳梗塞(cerebral infaction)の後遺症による軽い右片麻痺で、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。Bさんと夫は苦労して手に入れた自宅に愛着を感じており、以前から、「死ぬならこの家で」と話していた。ある日Bさんは、「この家で死にたいと思っていたけど、いつまで二人で暮らせるか・・・」と打ち明けた。
 話を聞いた訪問介護員(ホームヘルパー)がBさんにかける言葉として、最も適切なものを1つ選びなさい。

 

1 「ご夫婦二人で入居できる施設を探しましょう」

2 「便利な道具がいろいろありますから使ってみましょう」

3 「どなたかご家族と同居できるといいですね」

4 「いざとなれば病院に入院しましょう」

5 「何か心配なことがおありなんですね」

 

 

 

★★

解答 5

解説

問題35

正解は、5 といたします

このパターンの事例問題の正解は、ずばり、『王道』の選択肢。

ここでは、Bさんのおっしゃったことを、所属事務所の上司などに報告する

必要がありますよね。

持病があるBさん。

90歳の夫をささえ、さいごまで、自宅で暮らしたいと願っておられたが、

ある日、介護職員に、不安を打ち明けてくださった・・・

Bさんの言葉のうしろにあるものを、ゆっくり、お話ししていただけるように

会話をすすめるのが、BESTと考えます。

提案は、そのあとでもよいですよね。

よって、設問1、2、3、4は、 却下に。

チームで御夫婦をささえてゆくことを、Bさんにしっかり御伝えして、

うかがった内容を持ち帰り、サービス提供責任者や、上司に報告する。

ここから、スタートですよね。

★★

 

 

 

 

問題36 

介護老人福祉施設における居室の環境整備で留意すべき点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

 

1 利用者が使い慣れた家具を置く。

2 居室のドアは開けたままにしておく。

3 時計は天井に近い壁に掛ける。

4 居室の温度は、介護福祉職の感覚に基づいて調整する。

5 多床室は、入口から室内が見通せるように家具を配置する。

 

 

 

 

★★

解答 5

解説

 

問題36

正解は、 5 といたします

1に、しちゃった・・・ こんな受験生さんも、多いのではないでしょうか??

1も、まちがってないんじゃ??  こんな御声も、聴こえてきそうです。

皆さまも、よく御存知のように、

施設等への入居前に御使いになっていた、愛着のある家具などを配備することは、

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)などでは、推奨されていますね。

ただし。

問題文は、室内環境整備とありますので、ここでは、趣旨がことなりますよね。

出題科目は、『生活支援援助』、そして、ポイントは、自立に向けた居住環境の

整備となります。

断腸のおもいで、設問1は、却下に。

しっかし。

ぜつみょうな。

ひっかけですね。

介護老人福祉施設ですから、プライバシーや心地よさの確保と、安全との両立が

ポイントになりそうですね。

ものすごーーーく、設問の文章が短いので、よけいに選びにくいのですが、ここは、

やはり、『基本のき』で、設問5を、選びたいとおもいます。

★★

問題37
利用者の自宅の清掃を行うときの注意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 玄関は乾燥した茶殻をまいて掃く。
2 窓ガラスは最初に乾いた雑巾で拭く。
3 畳は畳の目に沿って拭く。
4 浴室にカビ取り剤を散布するときは窓を閉める。
5 はたきを使った掃除は低い所から始める。

 

 

 

 

 

★★

解答3

解説

問題37

正解は、3 といたします

まずは、畳(たたみ)の御紹介から・・・

日本住宅に使われる、伝統的な床材。

よく乾燥した、稲わらを縦横、約1メートル × 2メートル、

厚さ5センチメートルほどに、麻糸で縫い固めた畳床(たたみどこ)の表面に、

イグサ(藺草)を木綿糸で編んだ畳表(たたみおもて)を麻糸を使って端部で縫い付け、

縫目を布縁(へり)で覆ったもの。

薄板を張った床板上に、部屋の大きさに合わせて何枚も敷き詰める。

床の構成材であると同時に、座具としての機能も備えている。 畳が現在のように

部屋の床一面に、敷き詰められるようになったのは15世紀末ころからであり、

それ以前は移動可能な座具であった。

清々しい香りや、美しい色合いをもつ畳ですが、強いちからでこすったりすると、

表面が傷んでしまうこともありますので、要注意ですね。

また、織り目はしっかりと、詰んでいますが、掃除機などをかけるときには、

織り目に沿って、丁寧にかけることが、BESTとされます。

★★

 

問題38
ユニットケアを行う入居施設の「プライベート空間」に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 集団レクリエーションを行う空間である。
2 地域の人も利用できる喫茶コーナーを設ける空間である。
3 複数の利用者が集うことができる空間である。
4 利用者の居室を示す空間である。
5 面会者用の空間である。

 

 

 

 

★★

解答4

解説

正解は、4 といたします

多床室(大部屋)ではなく、各人が、それぞれ、御自分の御部屋ですごすのが、

ユニットケア施設の、大きな特徴の1つですね。

『ユニット』の 本来の意味は、【単位】 だそうです。

少数の個室と、近接して、そこで暮らすひとたちが交流し、共同で日常生活を営む

ための場所である『共同生活室』とが、一体的に構成される場所ごとに、入居者が

日常生活をおくり、そのための、支援がおこなわれる。

これが、『ユニット』 ですね。

ユニットケアにおいては、

入居者さんは、プライベート空間である、個室(居室)をもちつつ、

みんなで過ごす場所である、共同生活室も、別に確保されていますので、

設問4が、正解となります。

★★

 

問題39
Cさん(75歳男性)は、頸椎症(cervicalspondylosis)と診断された。手がしびれ、指先に力が入らない。しびれが強い左手に加えて、最近では。右手の症状が進行して、食後の歯磨きがうまくできなくなった。
Cさんが口腔の清潔を保つための介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 歯間ブラシの使用を勧める。
2 歯ブラシをやめて、洗口液のうがいをするように勧める。
3 柄を太くした歯ブラシの使用を勧める。
4 口をすすぐときは、上を向くように勧める。
5 歯ブラシを歯肉に当てるように勧める。

 

 

 

★★

解答 3

解説

問題39

正解は、3 といたします

問題の文章と、5つの設問が、あたまのなかで、つながらなかった・・・

こんな受験生さんも、多かったのではないでしょうか??

問題の趣旨は、自助具の活用・・・ととらえると、ヒントがみつかりますね。

生活支援における、ポイントの1つ。

それは、『自立支援』。

御自身でできることは、できるかぎり、御自身で。

御存知のように、口腔ケアにおいては、洗口剤などの化学的清掃法よりも、

歯ブラシなどを使った、機械的清掃法のほうが、汚れが除去しやすいと

されます。

もちろん、併用もOK!ですが、洗口剤だけでは、口腔ケアとしては不十分

です。

しびれがある右手で、歯ブラシを使うための支援として有効な方法は??

そうですね。

持ち手(柄)を太いものにすることも、有効とされます。

プラスチックではなく、弾力性のある素材のものも、たくさんでています。

Cさんが受診しておられる、医療機関でリハビリ職のかたに相談するのも、

よいでしょう。

Cさんの右手にフィットする、『柄』の歯ブラシの使用。

そのための、支援がのぞまれます。

★★

 

問題40
保温効果を高めるための着衣に関する次の助言のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 衣類の間に薄手の衣類を重ねて着るように勧める。
2 一番上に通気性の高い衣類を着るように勧める。
3 一回り小さいサイズの衣類を着るように勧める。
4 肌に接する衣類は、防水性の高いものを着るように勧める。

5 袖幅の大きい衣類を着るように勧める。

 

 

★★

解答 1

解説

問題40

正解は、1 といたします

まさに、1月、厳寒の時期の試験にぴったりの問題ですね。

ここは、読み間違いのないように、1点、追加とまいりましょう。

★★

 

問題41
ベッドの端に座っている左片麻痺の利用者の、立ち上がりまでの基本的な介護として、適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者の右側に立つ。
2 立ち上がる前に、深く座りなおすように促す。
3 利用者の右膝を支える。
4 利用者を真上に持ち上げる。
5 立ち上がった時に、利用者の右膝の裏が伸びていることを確認する。

 

 

 

 

★★

解答5

解説

 

★★

問題41

正解は、5 といたしいます

ここ。

まちがえた。

ここ。

よみまちがえた。

そんな御声、多数かもしれないですね。

『左片麻痺』のある利用者さんが、端座位(ベッド)から、立位に体位を

かえる際の、支援です。

患側のフォローが基本ですから、設問1と、設問3は、秒殺で。

端座位から、立位になるには、下準備として、ベッドに浅く腰掛けなおすことが

たいせつですよね。

安全に立ち上がるために、足の位置も、うしろに引いて、膝を曲げて・・・

皆さまのほうが、よく御存知ですよね。

よって、設問2も、却下に。

また、立位になる際には、あたまを真上にのばす(持ち上げる)のは、NG。

あたまを前傾させ、重心を移動させます。

股関節、膝関節をすこしづつのばし、顔は、上げながら立ち上がります。

よって、設問4も、却下ですね。

立位の保持には、健側である、右ひざがの裏が、しっかりと伸びていることが

必要です。

 

問題42
屋外での車いすの介助方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 段差を上がるときは、キャスターを斜めに向ける。
2 段差を下がるときは、後ろ向きで後輪から下りる。
3 急な上り坂では、両腕の力で素早く進む。
4 急な下り坂では、前向きで進む。
5 砂利道では、後輪を持ち上げて進む。

 

 

 

★★

解答 2

解説

問題42

正解は、 2と いたします

これあかんやつや・・・

なんて。

ふだんの御仕事では、なんなくクリアできておられることも、試験問題になると、

迷いに迷って、間違えてしまうことってありますよね。

あるんです、ほんとうに。

わかってるのに、1点損失は、もったいなさすぎ。

まずは、消去法で、あきらかに間違いのものを消してゆくなど、実力がきちんと

発揮できる『解きかた』を、持っておきたいですね。

車椅子利用の際には、さまざまな注意事項とともに、周囲の安全確認や、利用者さん

への声がけもありますので、とてもたいへん。

同時に、いくつものことが求められるのですね。

迷った設問があった受験生さんは、可能であれば、実際に車椅子を使っての

練習をぜひ。

★★

問題43
図はU駅のホームの見取図である。介護福祉職が視覚障害者と列車を待つときの位置として、適切なものを1つ選びなさい。

【図面有り】

第30回介護福祉士問題43

第30回介護福祉士問題43図面

(注)Aは白線である。Cは点状ブロックである。

1 A
2 B
3 C
4 D
5 E

 

★★

解答 5

解説

問題43

正解は、 5 といたします

ううむ。

なにか。

ひっかけがあるのだろうか。

なんて、深読みしちゃいそうな問題ですね。

視覚障害者誘導用ブロック、いわゆる、点字ブロックに関する出題でした。

問題の文章からは、白杖を利用されているかどうかは、読み取れませんので、

あくまで、安全第一という視点で、また、他の視覚障害をもつ人への配慮から、

設問1、設問2、設問3、設問4は、却下しました。

ちなみに。

駅のプラットホームの線は、かつては、白線が引かれているのみでしたが、

現在では、白線に近接したホーム内側に、黄色の点ブロックが埋め込まれて

います。(図・C)

点ブロックのみではひとたび方向を見失った場合に、ホームの内側と外側を区別

できないため、内側に退避するつもりで移動しても、線路内に転落してしまうという

危険性があるとして、点ブロックの内側にさらに安全側を示す、1本線のブロック

(ホーム内方線)が追加されたものが増えてきているそうです。(図・D)

図・Cや、図・D の、活躍にも、御注目くださいませ。

★★

 

問題44
食中毒(foodbornedisease)の予防に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 生食用海産魚介類は、塩水で洗う。
2 カレーやシチューは、常温で保存する。
3 生の肉を切った包丁とまな板は、すぐに洗って熱湯をかけておく。
4 豚肉は、中心部がsot;になるように1分間加熱する。
5 解凍した冷凍食品の残りは、再度冷凍して保管する。

 

 

 

 

 

★★

解答 3

解説

問題44

正解は、3 といたします

ここで、皆さまに質問です。

平成27年度統計によると、

我が国の、食中毒事件数における、病因物質として、最も多いものは

なにでしょう??

じゃじゃああん。

正解は、ノロウイルス。

なんと、患者数でも、ワースト1位。

患者数では、すでに、6割を超えているそうです。

それでは、設問を1つづつ、確認してまいりましょう。

設問1って、

わかめの塩抜き??  秒殺。  ここは、流水でいきたいですね。

一晩おいた、カレーが、どんなに、どんなに、美味しくても、設問2も、

きっぱり、お断りの方向で。

設問3の、豚肉の加熱ですが、サルモネラ菌の死滅には、70度で、1分間加熱が。

腸管出血性大腸菌の死滅には、75度で、1分間の加熱が必要とされます。

もちろん、調理までの保存温度も、じゅうぶんに配慮が必要ですね。

設問5の、冷凍食品の再冷凍ですが、これは、行なってはいけません。

冷凍食品には、保存料を使っていない商品もあります。一度、解凍したものを

再冷凍したり、常温で放置すると、雑菌が生じる可能性があり、大変危険です。

食品の廃棄は、こころ苦しいもの。

御高齢のかたであれば、なおさらかもしれません。

加熱して、翌日などに食べきれるような、お惣菜にするなど、再冷凍せずに

食材を使い切る方法を、さがしたいですね。

設問3の、生肉を切ったあとの包丁と、まな板の手入れですが、しっかり洗剤で

洗ったら、流水で、よくすすぐ。

このあと、熱湯をまわしかけると、VERY  GOOD!!

ちなみに、先に熱湯をかけてしまうと、たんぱく質が固まって、落ちにくくなる

とのことです。

★★

問題45
嚥下障害がある利用者に提供する飲食物として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 レモンジュース
2 だんご
3 プリン
4 牛乳
5 紅茶

 

 

 

 

 

★★

解答 3

解説

 

問題45

正解は、3 といたします

『水分100パーセントだから、飲み込みやすいわけではない』

問題文を御読みになった瞬間、この言葉が、あたまに浮かんだ受験生さんは、

VERY  GOOD!!

そうですね。

お水よりも、ちょっぴり、とろみがついたもののほうが、嚥下障害のある人に

とっては、飲み込みやすいのですね。

なお、、酸味のきいたジュースは、むせを誘発する可能性がありますので、NGに。

ここはどなたも、落ち着いて、1点、追加していただけたとおもいます。

★★

問題46
施設における介護福祉職と他職種との連携として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食事時に咳込む利用者の嚥下機能の評価を、作業療法士に相談する。
2 寝たきりの利用者の仙骨部に発赤を見つけたときは、看護師に相談する。
3 体重減少が続いている利用者に気づいたときは、社会福祉士に相談する。
4 車いすでの食事時に姿勢が崩れてしまう利用者に気づいたときは、言語聴覚士に相談する
5 嚥下困難のある利用者に提供する食事内容を、歯科衛生士に相談する。

 

 

 

 

 

解答 2

解説

問題46

正解は、 2 といたします

作業療法士さんと、理学療法士さん。

御二方の、御仕事内容が、わからない・・・

そんな受験生さんも、多いかもしれないですね。

『理学療法士』は、寝返る、起き上がる、立ちあがる及び歩くなど、日常生活で必要な

基本動作ができるように身体の基本的な機能回復をサポートする動作の専門家と

されます。

歩行練習などの運動療法や、電気・温熱・光線などを使った物理療法を用いて、身体の

機能や動作の回復をうながし、自立した日常生活が送れるようにバックアップします。

 

『作業療法士』は、入浴や食事など日常生活の動作や、手工芸、園芸及びレクリエー

ションまであらゆる作業活動を通して、身体と心のリハビリテーションを行う専門家と

されます。

理学療法士と異なる点として、作業療法士は、躁うつ病及び摂食障害などの精神障害の

患者さんも対象としており、幅広くリハビリテーションの医療現場で活躍しています。

嚥下機能の評価には、内視鏡下で行なうものなど、さまざまな種類があります。

医師に、相談・受診が適切とかんがえますので、設問1は、却下に。

★★

 

問題47
糖尿病(diabetesmellitus)のある利用者の入浴時に、特に注意して観察すべき皮膚の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

1 A
2 B
3 C
4 D
5 E

図面

第30回介護福祉士問題47

第30回介護福祉士問題47図面

 

 

 

 

★★

解答 5

解説

問題47

正解は、5 といたします

糖尿病における、3大合併症とは??

そうですね。

糖尿病性腎症。

糖尿病性網膜症。

そして、

糖尿病性神経障害(神経症)。

糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3大合併症のひとつである神経障害や、

動脈硬化などが起こります。動脈硬化は血流障害をおこし、結果、足にさまざまな異常が

出やすくなります。

また、高血糖の状態はからだの抵抗力を落とすため、細菌感染がおこりやすくなります。

さらに、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などにより視力が低下してくると、傷などの

足の変化に気づきにくく、放置したまま足潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)などの重大な

病変(糖尿病足病変)に進行してしまうことがあります。

『フットケア』という言葉を、お聴きになったことがないでしょうか??

大切な足を守るためには、血糖値を良好にコントロールするとともに、ご自身の日々の

お手入れ(フットケア)がカギになるのですね。

ご自身の足の状態を知り、その状態に合わせた方法で手入れをしていくことが大切です。

普段から足に傷を作らないよう細心の注意をはらい、毎日よく足を観察して、ケアを行う

ことで、『糖尿病足病変』を予防することができます。

★★

問題48
おむつで排泄を行っている利用者の陰部の清拭に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 排便がなければ、殿部の清拭は省略できる。
2 女性では、会陰から肛門に向かって拭く。
3 本人の希望がなければ、実施しなくてよい。
4 男性の清拭の回数は、女性よりも少なくてよい。
5 週2回入浴を実施していれば、毎日行わなくてよい。

 

 

 

 

★★

解答 2

解説

問題48

正解は、 2 といたします

ここは、解説不要ですよね!!

問題49
排便のメカニズムに基づく排泄の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 トイレまでの歩行は、胃・結腸反射を誘発するために有効である。
2 食後の臥床は、腸内の蠕動運動の充進に有効である。
3 トイレ誘導は、便意を催してから30分後が有効である。
4 腹部マッサージは、下行結腸、横行結腸、上行結腸の順に行うことが有効である。
5 便座に座って足底を床につけた前傾姿勢は、腹圧を高めるために有効である。

 

 

 

 

 

 

★★

解答 5

解説

問題49

正解は、5 といたします

いわゆる、いわゆる、『かんがえる人のポーズ』ですね。

どたも御経験があるとおもうのですが、ちょっぴり、お通じがでにくい時など、

自然と、このポーズになっているのではないでしょうか??

これは、前傾した座位姿勢になると、直腸肛門角度が120度と、ほぼ直線になり、

排便しやすくなるため。

また、おなかに、力をいれて、いきみやすい姿勢でも、あるからなのですね。

腹部マッサージの正しい手順も、おぼえておきたい知識です。

YOUTUBERになったつもりで、職場の仲間と動画作成もいいですね。

★★

問題50
直腸性便秘のある高齢者の介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 排便時は隣に立って見守る。
2 市販の下剤を毎日勧める。
3 日中の活動を控えるように勧める。
4 朝食後、トイレに誘導する。
5 食物繊維は控えるように勧める。

 

 

 

 

 

★★

解答 4

解説

問題50

正解は、4 といたします

『便秘』には、実は、いくつかの種類が存在します。

◆◆  弛緩性便秘

原因として、加齢や運動不足による、腸管の緊張の低下、筋力不足、食物繊維の

不足などがあげられます。

◆◆  痙攣性便秘

原因として、ストレスが関与していることが多いとされます。

◆◆  直腸性便秘

便意を我慢してしまう習慣があったり、便意を感じる神経が障害されている

ことが原因とされます。

問題は、『直腸性便秘』のある高齢者の介護について、たずねていますね。

直腸性便秘では、直腸の中には、便があるのですが、便反射が弱いため、便意を

もよおさない・・・とされます。

これは、むずかしいですね。

直腸性便秘では、消化管などの病気がなければ、朝ごはんをきちんと食べて、

たとえ、食後に便意がなくても、きちんと、トイレに座ることが大切になります。

どうやら、

ポイントの1つは、

タイミング。

排便の習慣をつくることが、適切な対応方法なのですね。

どうしても、排便できない場合には、座薬や浣腸、あるいは、摘便などにより、

直腸内の便を除去します。

★★

問題51
消化管ストーマを造設している人の生活支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 排泄物がパウチの3分の1から2分の1程度たまったら処理するように助言する。
2 ベルトでウェストを締める服を選ぶように助言する。
3 ラジオ体操は控えるように助言する。
4 回腸ストーマのある人は水分摂取は控えるように助言する。
5 れんこんやごぼうを多くとるように助言する。

 

 

 

 

★★

解答 1

解説

問題51

正解は、1 といたします

『ストーマ』とは、

消化管や、尿路の障害によって、肛門や膀胱をつうじた通常の排泄ができなくなった

ときに、排泄のルートを確保するために、人工的につくった、便や、尿の排泄口を

いいます。

なんか。

これだけじゃ。

わかりにくいですね。

手術により、おなかの皮膚に、ちいさな穴をあけて、そこから便を出せるように

する・・・こんなふうに、とらえていただくと、わかりやすいとおもいます。

最近では、

漫画家の、内田 春菊さんが、御自身のストーマ体験をネットなどでも、発信して

おられますね。

人工肛門という、呼び名もありますが、現在では、ストーマのほうがよく使われて

いるかもしれません。

ストーマを装着して、御仕事や、スポーツ、旅行だって、行なえます。

ただし、ストーマには、痛みを感じる神経がないので、強く圧迫するような洋服

などは、避けることがMAST。

よって、設問2は、却下ですね。

さて、

本来なら、便は肛門から排出します。

肛門には、御存知のように、肛門括約筋がありますが、おなかの皮膚にはない

ため、ストーマでは、便は自分の意思に関係なく、出てきてしまいます・・・。

こまりますね。

そのために、『パウチ』と呼ばれるふくろを、おなかに貼り付けて、そこに、便を

集めます。

一定量がたまったら、中の便を、捨てればOK。

一般に、3分の1から、2分の1くらい、排泄物がたまったら、処理します。

いまは、消臭効果の高いパウチも、たくさんでてきています。交換は、最短で、1日。

長くて、1週間など、パウチによって異なりますので、御自身にフィットしたものを

見つけられるとおもいます。

消化器系ストーマにおいては、腸のどのあたりに造られたかによって、便の性状が

かわってきます。

設問4のように、回腸ストーマの場合は、液状の便となり、持続的に排泄されます。

そのため、じゅうぶんな水分摂取が必要となります。

よって、設問4は、却下に。

また、摂取した食品によっては、消化が悪かったり、ガスが発生しやすくなるため、

注意が必要になります。

設問5の、レンコンや、ごぼうは、消化が悪くなりやすい食品としてあげられて

います。消化が悪い食品を多く食べ過ぎると、ストーマの出口で、便がつまって

しまうことがあるそうです。

このことから、設問5も、却下に。

実は、ストーマを、まだ実際に見たことがない・・・

そんな受験生さんは、ぜひ、ネットで画像検索なさってくださいね。

ストーマを扱う、医療器具メーカーさんのサイトも、勉強になりおすすめです。

★★

問題52
季節や行事と、食事の組合せとして、最もふさわしいものを1つ選びなさい。

1 節分         お節料理
2 桃の節句(ひな祭り)   柏餅
3 七夕        七草粥
4 土用の丑の日    うなぎのかば焼き
5 冬至                                 ちまき

 

 

 

 

 

★★

解答 4

解説

 

問題52

正解は、4 といたします

職場での年間行事において、御食事は、とてもたいせつな位置づけですよね。

季節をかんじるお料理。

あたたかなメッセージカードなど。

どこの職場も、工夫を凝らしての御準備かとおもいます。

★★

問題53
疾病のために食事制限がある利用者の食生活に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 人工透析をしている利用者には、生野菜を勧める。
2 高血圧の利用者には、1日の塩分摂取量を10g以下にする。
3 骨粗粗症(osteoporosis)の利用者には、豆類を勧める。
4 糖尿病(diabetesmellitus)の利用者には、朝食に1日のエネルギー量の半分を配分する。
5 肝疾患(liverdisease)の利用者には、低カロリー、低たんぱくの食事を勧める。

 

 

 

 

★★

解答 3

解説

問題53

正解は、3 といたします

問題数の多い、生活支援援助では、集中力が勝負!!

読み間違い、勘違い、思い違いをさけるため、設問の文章は『斜線』で区切る等して、

読み進めるとよいですね。

さて、明らかに誤りであるものを、まずは消し去りましょう。

設問1は、カリウムの制限があるため、却下に。

設問2の、塩分量は、『6グラム未満』が推奨されていますので、却下に。

設問4は、論外ですね。

設問5は、『基本は、高カロリー』、『高たんぱく』とされていますが、近年では、

「エネルギーが適正で、栄養バランスのとれた食事」を、規則正しくとることが、基本と

されてきています。

しかし、低カロリー、低たんぱく食は、誤りなので、却下に。

残るは、設問3ですが、

『豆???』となって、躊躇なさった受験生さんも、おられるのではないでしょうか?

骨粗鬆症の治療には、食事療法、運動療法、薬物療法があります。

食事療法では、骨を強くするために、栄養バランスの良い食事を心がけます。

運動療法では、骨密度を増加させたり筋力を増加させることが期待できます。

薬物療法には、骨折リスクを低下させるさまざまな薬があります。

では、骨粗鬆症と、『まめ類』のつながりは??

骨は、主にたんぱく質と、カルシウムから形成されています。

したがって、骨粗鬆症には、良質のたんぱく質と、カルシウムの摂取が必須です。

食品のなかで、この2つを手軽に摂れるのが、『豆類』なのですね。

また、豆類に含まれる『イソフラボン』は破骨細胞の暴走を抑え、骨からのカルシウム

溶出をくい止めるという働きが証明されてきましたが、最近の研究で、より積極的に、

「骨を造る」働きがあることがはっきりしてきたそうです。

これなら、『まめ類』、圧勝ですね。

問題54
エンゲル係数について相談を受けた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 住居費について一緒に考える。
2 食料費の内容について一緒に考える。
3 光熱水道費の内容について一緒に考える。
4 交際費の内容について一緒に考える。
5 教養娯楽費の内容について一緒に考える。

 

 

 

 

★★

解答 2

解説

問題 54

御一人暮らしであっても、御家族がおられても、『家計』をきりもりするって

たいせつなこと。

問題54に登場した、『エンゲル係数』とは、

家計の、消費支出総額中に占める【食料費の割合】をいいます。

一般に、この係数が高いほど、生活水準が低いとされます。

この割合が一般に低所得層ほど大となることをエンゲル法則といい、

ドイツの統計学者である、エンゲル氏が発見しました。

ちなみに、

2015年のデータでは、25パーセント前後で推移しているそうです。

皆さまの、御家庭では、どうでしょう??

★★

問題55
洗濯に関する次の記述のうち、最も適切なもめを1つ選びなさい。

1 ほころびや破れがあるものは、修理してから洗濯する。
2 色が移るのを防ぐために、素材の違うものは分けて洗濯する。
3 嘔吐物で汚れたカシミヤのセーターは、塩素系漂白剤につけてから洗濯する。
4 ファスナーは開けた状態で洗濯する。
5 マジックテープは、はずした状態で洗濯する。

 

 

 

★★

解答1

解説

問題55

正解は、1と いたします

あとで、学習しよう。

あとで、おぼえよう。

後回しにしちゃいたくなる、【洗濯の学習】。

ラッキーなことに、設問1が、どう見ても、正解っぽいから、ますます、

後回しにしてしまいそうなので、本日、きっちりおさらいです。

まずは、設問2。

やる気喪失。

意味不明ですね。

それとも。

新種のひっかけ??

色もの、白もの、で、まず、大別。

そこからさらに、グループに、分別でしょうか。

つづいて、設問3。

カシミヤ(カシミヤ山羊の毛が原料)は、動物性繊維ですから、塩素系漂白剤は

NG!! ですね。

塩素系漂白剤は、『白もの』、のみOKとなります。

ウール(毛)や、シルク(絹)には、使えません。

ノロウイルス等の感染がない場合には・・・

嘔吐物が付着している場合は、ゴム手袋を使用して、まずは、流水で汚れしっかりと

洗い流すことが、基本です。

そのあと、酸素系漂白剤で、つけおきですね。

設問4の、ファスナーは、閉めて洗濯が、基本となります。

設問5の、マジックテープ。

はずした状態で、ジーンズと一緒に洗うと、ジーンズ破壊するほどの威力

なのがそうです。

こわい、こわい。

テープはくっつけて、できれば、洗濯ネットに入れて洗うのが、BESTと

かんがえます。

ほころびや、やぶれがあるものを、そのまま洗濯してしまうと、さらに、

ひどい状態になってしまう可能性・特大!! ですよね。

修理してから、お洗濯。  設問1を、正解といたします。

★ 塩素系漂白剤

★ 酸素系漂白剤

★ 還元漂白剤

特徴を、まとめて、お洗濯の達人に!!

★★

問題56
昼夜逆転している利用者への介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 食べたい時に、食事をするように促す。
2 1時間以上、昼寝をするように促す。
3 夕方に、散歩をするように促す。
4 寝る直前に熱いお風呂に入るように促す。
5 眠くなるまで、テレビを見て過ごすように促す。

 

 

 

 

★★

解答 3

解説

問題56

正解は、3 といたします

昼間に活動し、夜間は眠くなるというように、生活リズムを整えているのが「体内時計」

ですね。

脳はそれを調節する大切な役割を担っています。中でも大きな影響を及ぼしているのが、

分泌によって睡眠を促す「メラトニン」というホルモンです。加齢に伴い分泌が低下する

ため、睡眠時間が短くなったり、朝早く目が覚めたり、途中で目が覚めるといったことが

起こると言われています。

加齢とともに体内時計の機能は徐々に衰えていきますが、認知症になるとその影響はさらに

大きく、睡眠障害を起こしやすいとされています。

では、どうすれば??

夜眠れるようにするためには、昼間の過ごし方が重要になってきます。一日中テレビを

ボーッとみていたり、部屋で閉じこもりがちになっていると、体力も消耗せず、暮らしの

メリハリがつかず、昼夜逆転のパターンに陥りやすいです。できるだけ部屋の外に出て人

と話す機会を作ったり、軽い運動をしたり、頭と体を動かすよう働きかけるのが大切です。

昼夜逆転には、生活のリズムを作ることを意識します。そのためには朝日を浴び、日中の

運動量を増やし、睡眠の質を向上させること等も、有効とされます。

また、寝る前にぬるめのお風呂に入ったり、足湯をしたりすることで身体が温まり、

寝付きやすくなります。

生活リズムの改善の視点から、

設問1、設問2、設問5は、却下に。

寝つきを良くする観点から、設問4も、却下に。

では、夕方のお散歩は、有効なのでしょうか??

もちろん、医師の指示のもととなりますが、歩くことは、とても有効です。

軽い運動による、心地よい疲労感は、安眠にもつながります。

夜にぐっすりねむれれば、翌朝は、気持ちよく目覚め、お昼間の活動量を

増やしてゆくことも、スムーズです。

帰宅後の、夕食、入浴、イブニングケアなどで、生活リズムを整えることも

たいせつですね。

★★

問題57
パーキンソン病(Parkinsondisease)(ボーエン・ヤール重症度分類ステージ3)の高齢者の寝室環境に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 ベッドは介護者に合わせた高さにする。
2 ベッドに手すりをつける。
3 マットレスは体が沈みこむものを選ぶ。
4 ベッドサイドの床にクッション性のあるマットを敷く。
5 枕は頸部前屈になるような高さにする。

 

 

 

 

 

★★

解答 2

解説

問題57

正解は、 2 といたします

介護保険における、特定疾病の1つにも位置づけられている、パーキンソン病。

御存知のように、『ホーエン & ヤール』のステージという、分類があります。

ステージⅠ、ステージⅡ、ステージⅢ、ステージⅣ、ステージⅤまで分離され、

Ⅲの場合は、『姿勢反射障害の初期徴候が見られる』とされます。

これは、患者が歩行時に、向きを変えるときの不安定さでも、明瞭となります。

機能障害度としては、まだ軽度、ないし、中程度にとどまります。

なるほど。

姿勢反射障害がある、すなわち、倒れやすくなる・・・ということに。

もう、お気付きですね。

倒れそうになっても、反射的に、姿勢を立て直すことが難しくなりますので、

転倒予防のためにも、ベッドの手すりが必要とおもわれます。

★★

問題58
Dさん(75歳、女性)は、以前は散歩が好きで。毎日、1時間ぐらい近所を歩いていた。最近、心不全(heartfailure)が進行して歩行がゆっくりとなり、散歩も出かけず、窓のそばに座って過ごすことが多くなった。食事は、すぐおなかがいっぱいになるからと、6回に分けて食べている。夜、時があり、眠れていない」という言葉が聞かれるようになった。
Dさんへの安眠の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 寝る前に、肩までつかって入浴する。
2 寝る30分前に、少量の食事を摂取する。
3 以前のように、毎日1時間の散歩を再開する。
4 就寝時は、セミファーラー位にする。
5 朝、目覚めた時にカーテンを開ける。

 

 

 

 

 

 

★★

解答 4

解説

問題58

正解は、 4 といたします

心不全とは、簡単に申すと、以下のような疾患ですね。

全身に血液を送り出す心臓のポンプ機能が低下し、身体の各組織が必要とする血液を

送り出せない状態のことをさします。

静脈系に血液がうっ帯することから、うっ血性心不全ともいいます。

ポンプ機能および心拍出量が低下すると、しばらくは代償機構が働きますが、

代償機構にも限界があり、やがて心不全に至ります

心不全を増悪させない生活指導が、ケアのポイントの1つです。心負荷が軽減するように

それぞれの患者さんの心機能に見合った活動に制限するよう指導し、患者さんができない

部分は援助します。

入浴、便秘による怒責も、心負荷がかかるので注意が必要となります。

呼吸困難が出現している場合は、体位を工夫して緩和します。臥床すると、心臓に戻る

血液量が増大して肺うっ血が増強し、呼吸困難が増悪するため、起座位やセミファーラー位が

適しています。

ここでは、心不全が進行して、『横になると(側臥位)呼吸が苦しい・・・』とおっしゃる、

Dさんへの安眠の支援についてたずねられていますので、設問5は、不適切と判断。

もちろん、設問1、2、3、も、オール却下ですね。

★★

問題59
終末期にある利用者を施設で看取る家族への支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 毎日面会に来るように促す。
2 家族が利用者のためにできることを提案する。
3 積極的な情報提供は控える。
4 感情を表出しないように助言する。
5 パブリックスペースを用意する。

 

 

 

 

 

 

★★

解答 2

解説

問題59

正解は、2 といたします

文句なしの、設問2 ですよね。

たとえ日々の暮らしに、どなたかの支えが必要であっても、どななにも、その人の生活が

存在します。

生活とは何か・・・その支援とは?? という、基本に立って出題基準をごらんいただければ

1つ1つの小項目も、スムーズに学習がすすめられたこととおもいます。

実に多岐にわたる知識が問われる科目ですが、その内容も、アップデートしながらしっかり

身につけてゆきたい、御自身にとってもたいせつな知識となるでしょう。

試験出題範囲の一例として、 『終末期の介護』の、大・中・小項目を、御紹介して

みましょう。

(大項目)

10 終末期の介護

(中項目(◆)と、それぞれの小項目(◇))

◆◆◆ 終末期における介護の意義と目的

◇◇◇ 終末期における尊厳の保持

◇◇◇ 事前意思確認

◆◆◆ 終末期における利用者のアセスメント

◇◇◇ ICFの視点にもとづくアセスメント

◆◆◆ 医療との連携

◇◇◇ 看取りのための制度(看取り介護加算)

◇◇◇ 医師、看護師等との連携・協働

◆◆◆ 終末期における介護

◇◇◇ 終末期にある人と家族の特徴

◇◇◇ 終末期にある人への介助の方法と留意点

◇◇◇ 終末期にある人の家族への関わりの方法と留意点

◆◆◆ 臨終時の介護

◇◇◇ 臨終時の対応

◆◆◆ グリーフケア

◇◇◇ 悲嘆、受容プロセスの理解

◇◇◇ グリーフケアの意義

◇◇◇ グリーフケアの方法と留意点

◇◇◇ グリーフケアにおける他職種との連携

★★

問題60
施設において、介護福祉職の行う死後の処置として、適切なものを1つ選びなさい。

1 義歯ははずす。
2 衣服は施設が指定したものを用いる。
3 着物の場合は右前に合わせる。
4 着物の場合は帯紐を縦結びにする。
5 死後の処置は、死後3時間経過してから行う。

 

 

 

 

 

 

★★

解答

解説

問題60

正解は、4 といたします

胸が苦しくなるような選択肢ですが、知っておかなければならない知識です。

エンゼルケアでは、義歯は、はずさないことが原則です。口腔ケアをおこない、

義歯は、いつもどおりに装着します。

また、御家族と患者さんだけの、お別れの時間は、15分ほどを目安とします。

スタッフは、退室して、お別れがすんだあとに、エンゼルケアを行ないます。

エンゼルケアでの、着物の帯は、『たてむすび』にするのが、一般的とされます。

闘病生活が長い人は頬がこけていたり、黄疸が出ているなど、入院前とは違う容貌に

なっていることも多くあります。

そのような姿のを見るのは、御家族にとってはとても辛いことであり、御家族にとっての

患者さんの最後の姿の思い出が、入院前とはかけ離れた外見だった場合、死をなかなか受け

入れることが難しいでしょう。

そのため、エンゼルケアによって、その人らしい外見に整えることで、御家族の心のケア

にもなるとされます。

また、御家族と一緒に清拭をする、着替えをするなど、エンゼルケアを御家族と一緒にする

ことで、御家族が「最後に自分たちでケアをしてあげられた」と患者さんの死を受けいれる

れるきっかけとなり、グリーフケアにもつながります。

★★

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