解説 問題109(午後)
【午後 問題109】
次の文を読み109~111の問いに答えよ。
Aさん(52歳、女性、専業主婦)は、夫と2人の息子との4人で暮らしている。Aさんは内向的な性格であり、順番にまわってきた町内会の役員を引き受けたことで悩むことが多くなった。2か月前から食欲不振と不眠が続いている。1か月前から家事ができなくなり、死んでしまいたいと言い始めたため、夫が付き添って精神科を受診したところ、うつ病と診断された。
Aさんは「いつも体がだるくて、何もしたくない。生きていても皆に迷惑がかかるだけだ」と話す。体重減少と長期間続く不眠のため、疲れ果てた様子をみせていることから、その日のうちに入院し、薬物治療が開始された。
入院当日の観察項目で優先度が高いのはどれか。
1.清潔状態
2.水分摂取量
3.意識レベル
4.他者との交流状況
【解説】
正解は、2と考えます
即日の入院、そして、薬物治療開始・・・。 この部分から、Aさんは、はじめて抗うつ薬を服用されるケースとかんがえます。
皆さまも御存知のとおり、抗うつ薬には、さまざまな種類があり、そして、さまざまな『副作用』もあります。
一般的な抗うつ薬である、SSRIには、嘔気・嘔吐、下痢などが、SNRIや、三環系、四環系抗うつ薬には、尿が出にくくなるという副作用があるとされています。
また、抗うつ薬は、飲み始めてすぐに副作用が出る場合も多いとのことですので、十分な観察は必須でありましょう。
2ヶ月にわたる食欲不振、体重減少、不眠、著しい疲弊・・・。 Aさんにとって、お薬の副作用は大きなダメージを受けることにもなりかねませんよね。