第29回介護福祉士国家試験問題解説 問題105

第29回介護福祉士国家試験問題解説

問題105
感染を起こしていない皮膚の創傷治癒を促す方法として,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 乾燥

2 消毒

3 マッサージ

4 湿潤

5 加圧

◆解答解説

問題105

正解は、4と、します。

設問1を、選んだ受験生さんも、きっとおおぜいおられるのではないでしょうか??

われわれの日常での、ちいさな切り傷であれば、流水で洗って、あとは、そのまんまで。
なんてこともありですが、問題文は、感染を起こしていない、創傷治癒の促進方法です。

治癒を促進させ、その課程を、医学的根拠に基き、見守らなければならない状態・・・こう、
とらえると、視点が変わりますよね。

まずは、感染を起こしていないという部分から、設問2は、却下に。マッサージという
意味不明な設問3も、却下に。

設問5の加圧も、ばっさり却下に。

★★ ということは、設問1の乾燥なのか、設問4の、湿潤なのか・・・ですよね。

遠いむかしの医療の現場では、1日24時間のなかで、何度も何度も、創部を消毒して、
ガーゼを大量にかぶせ、絆創膏で、べったり貼り付け、創部を乾燥させる・・・という
処置がふつうでした。

しかーーーーーし!! 医学は日進月歩。

現在は、たとえ術後であっても、べたべた消毒を繰り返すことは、まれ。

主流となる考え方が、『創部を消毒しない』『創部を乾燥させない』へと変わったの
ですね。これが、いわいる、『湿潤療法』。すなわち、設問4の、理由となります。

いったい、なぜ、湿潤療法なのでしょう??

理由は、ずばり!! 湿潤療法により、『痛くなく、早く、きれいに傷が治るから』。

設問1にある、消毒の目的は、

傷に付着する細菌(バイキン)を殺すことです。どうやって殺すかというと、細菌の細胞膜と
細胞質を破壊することで殺菌します。

けれども、この方法では、細菌の細胞と皮膚の細胞を区別することはできません。どちらも
消毒薬の攻撃対象となってしまいます。当然、消毒薬は傷に露出した皮膚の細胞を傷つけて
しまうのですね。

・・・これじゃあ、傷がなかなか治らないことに。

だから、傷を消毒すると痛いんですね。さらには、傷の表面の皮膚細胞が壊されることに
より、その再生を遅らせてしまうことにもなります。

そのため、『消毒しない』が基本となったそうです。

さらに、設問4の、湿潤のメリットとして以下があげられます。

人間の細胞は、生き物ですから、生き物には当然「水分」が必須となります。

バリバリに乾燥してしまった傷では、周囲の皮膚細胞は、増殖することも、傷の表面を
覆うために移動することもできなくなってしまいます。

・・・なるほど、ほどよく、湿ってないと傷はなかなか治らないわけですね。

また、湿潤療法は、やけどや、すり傷の治療において、そのの効果は絶大とされます。

画像検索などで、両者のちがいを見ることもできますので、ぜひ1度、チェックを。

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