精神保健福祉の理論と相談援助の展開(36-60)第20回精神保健福祉士国家試験問題解説

精神保健福祉の理論と相談援助の展開(36-60)第20回精神保健福祉士国家試験問題解説

精神保健福祉の理論と相談援助の展開

問題36
諸外国の精神保健福祉に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 韓国では、入院医療・入所施設中心から地域ケア中心に転換したことにより、精神療養施設を廃止した。
2 イタリアでは、ケアプログラムアプローチ(CPA)により、精神障害者への医療サービスと福祉サービスを計画している。
3 イギリスでは、法律180号(1978年)制定後、単科精神病院への新規入院を禁じた。
4 アメリカでは、入院回避のためのショートスティ施設として、ベンチャー(Venture)を用いている。
5 カナダは、政府が発表した『闇からの脱出』の中で、精神障害者を中心に位置づけたリカバリーシステムを目指すこととした。

 

 

 

問題37
次の記述のうち、我が国の精神保健福祉に関するものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 谷中輝雄が提唱した「ごく当たり前の生活」の実現とは、他の人々と同様の生活を実現することである。
2 「札幌宣言」では、精神科ソーシャルワーカーの実践目標として精神障害者の社会的復権を掲げた。
3 精神保健福祉士は、精神障害者の人権と福祉の増進を図る専門職として、1995年(平成7年)の「精神保健福祉法」に規定された。
4 1980年代以降の実践に影響を与えた「生活モデル」は、病理・診断・治療の視点を重視している。
5 「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」による地域生活支援体制の強化では、支援者の意向に即したサービスの利用が求められている。

(注)1 「札幌宣言」とは、日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会が1982年(昭和57年)に出した宣言のことである。
2 「精神保健福祉法」とは、「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」のことである。
3 「精神保健医療福祉の更なる改革に向けて」とは、2009年(平成21年)9月に取りまとめられた「今後の精神保健医療福祉のおり方等に関する検討会報告書」(厚生労働省)として公表されたものである。

 

 

 

 

問題38
精神科リハビリテーションの原則に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 発病前の状態に戻すことを到達点とする。
2 回復期への移行とともに速やかに開始する。
3 特定の技法やプログラムを基本とする。
4 個人の社会生活技能の改善と環境面での支援開発を行う。
5 障害支援区分を基準に実施する。

 

 

 

 

問題39
次の記述のうち、就労移行支援事業所が行う職業リハビリテーションのプロセスにおけるインターべンションとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 利用者と関係諸機関で話し合い、新たに職場適応援助者制度の利用を決めた。
2 利用者の職場実習の前に当該事業所で職場体験を行い、仕事内容等を整理した。
3 就職を希望する利用者に同行いハローワークで求職登録を支援した。
4 就職が決まった利用者と、それまでの支援内容について検討した。
5 初めて来所した利用者に対して事業所の支援内容を説明した。

 

 

問題40
次のうち、支援過程においてジェノグラムを作成する目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 家族や親族の関係や世代間関係の把握
2 家族の各成員間の情緒的結び付きや力関係などの状況の把握
3 家族や家族を取り巻く人々と諸機関との関係の把握
4 家族の個々人が所属する集団の人間関係や構造の把握
5 家族の職業や生活歴及び病歴などの個人情報の把握

 

 

 

問題41
精神保健福祉士が用いる面接技法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい、

1 励ましとは、相手のはっきりこない考えを、適切に理解して応答することである。
2 要約とは、相手が気付かずにいる自身の感情を、汲み取って言語化して返すことである。
3 支持とは、相手の感情を、そのまま認めて受容したことを表明することである。
4 繰り返しとは、相手の話した内容の矛盾点を、見定めて指摘することである。
5 相づちとは、相手の話の中から、一部の言葉を相手の言ったとおりイ云えぶことである。

 

 

 

 

問題42
精神科病院の医療相談室に勤務しているL精神保健福祉士の下にP市に住むMさんが相談に訪れた。「同居している30歳の弟が3か月前から家に引き籠り私には見えない誰かと対話し、興奮して壁を蹴るなどの行動がある。入院が必要ではないかと思うが、弟はどうしても受診に同意しない」いう。Mさんの父は既に亡くなっている。母は認知症に罹患し、現在司法書士が保佐人に選任されている。
Mさんには弟の他、成人した妹が一人いるという。L精神保健福祉士は、受診方法や様々な人院形態について、Mさんに説明した。

次の記述のうち.L精神保健福祉士がMさんに行った説明の中で、弟が医療保護入院になった場合についての説明として、適切なものを1つ選びなさい。

1 「Mさんが同意者となる場合、家庭裁判所による選任を受ける必要があります」
2 「Mさんの母の保佐人は、同意者となることができます」
3 「移送制度を使って医療保護入院する場合、市長が同意者になります」
4 「Mさんは、司意者とならなくても精神医療審査会に退院請求できます」
5 「同意者が自立支援医療を申請することで、医療費を軽減できます」

(注)同意者とは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(第33条)における医療保護入院の同意を行う家族等のことである。

 

 

 

 

問題43
次の機関における地域移行・地域定着支援に関わる専門職の支援として、正しいものを2つ選びなさい。

1 精神科病院では、地域移行に向けて個別事例のケア会議の開催を調整する。
2 指定特定相談支援事業所では、地域移行のための外出時の同行支援を行う。
3 基幹相談支援センターでは、地域の体制整備に係るコーディネーターの役割を担う。
4 指定一般相談支援事業所では、介護給付のための障害支援区分の認定を行う。
5 救護施設では、地域生活支援のためのサービス等利用計画を作成する。

 

 

 

問題44
次の記述のうち、精神障害者の生活ニーズに対応したサービスの活用の在り方として、適切なものを1つ選びなさい。

1 保証人がいないために一般住宅への入居が困難な障害者に対し、日常生活自立支援事業を活用する。
2 住居の確保や地域における生活に移行するための支援が必要な障害者に対し、移動支援事業を活用する。
3 食事や入浴などの支援が必要な障害者に対し、住宅入居等支援事業を活用する。
4 余暇活動等の社会参加のための外出の支援が必要な障害者に対し、地域移行支援を活用する。
5 常時の連絡体制が必要であり、障害の特性に起因して生じた緊急の事態などへの対応が必妾な障害者に対し地域定着支援を活用する。

 

 

問題45
次のうち、主として薬物依存症者の家族・友人のセルフヘルプグループとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 イモーションズ・アノニマス(EA)
2 チラノン(Nar-Anon)
3 セクサホーリクス・アノニマス(SA)
4 アルコホーリクス・アノニマス(AA)
5 アラノン(A1-Anon)

 

 

問題46
次のうち、障害者の地域生活を支援するために個別のニーズと複数のサービスを結び付ける方法として、適切なものを1つ選びなさい。

1 グループワーク
2 ケアマネジメント
3 コミュニティワーク
4 ソーシャルアクション
5 ソーシャルアドミニストレーション

 

 

 

問題47
Aさんは、うつ病で3か月前に入院し、近々退院することになっている。
同病院に勤務するB精神保健福祉士、Aさんと面接を行い、入院中の治療経過を振り返った。Aさんは入院中の様々な取組から、退院後の自宅生活における生活習慣を身につけられたことについては満足していた。他方で、「入院当初の治療プロプラムが自分に合っていたのか気になっている。もう少し早く退院したかった」などと述べた。B精神保健福祉士は、Aさんにどのような支援があればよかったのかを尋ねるとともに今後の業務にいかしていきたいと話した。
次のうち、B精神保健福祉士のAさんへの支援過程におけるこの面接の位置づけとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 プランニング
2 インターべンション
3 モニタリバング
4 エバリュエーション
5 ターミネーション

 

 

 

問題48
Cさん(34歳、女性)は.20歳代後半に、うつ病で入院したことがある。
結婚を機に退職し、その後、妊娠したが、つわりもひどく、うつ状態になっていた。
授乳中の服薬調整も考え、精神科のある総合病院で出産することにした。その後、無事出産し、間もなく自宅に戻る予定となった。一夫は、5年間の契約社員として一昨年から勤務している。退院後は、数日のみ、遠方に住むCさんの実母が手伝ってくれることになっている。今後の子育てと体のことが不安になったCさんは、過去の治療歴も含めて、精神科外来のD精神保健福祉士に相談した。
次の記述のうち、このときのCさんに対する.D精神保健福祉士が行う支援として、適切なものを2つ選びなさい。

1 不安が解消するまで精神科病棟へ入院し治療を受ける。
2 Cさんの住む市が実施している養育支援訪問事業を活用する。
3 契約社員であっても、夫が育児休業の申出ができると知らせる。
4 子育てのサポートになる育児ボランティアを養成する。
5 子どもを児童養護施設に預かってもらえるようにする。

 

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題1)
次の事例を読んで、問題49から問題51までについて答えなさい。

[事例]
Eさん(24歳、男性)は、就学前に医療機関でアスペルガー症候群(当時)と診断されたEさんには、環境の変化への対応困難や相手の意図を理解できないことからくる混乱などがみられたが、高等学校までは、学級担任などの理解と丁寧な指導によって、何とか卒業できた。Eさんは、父親と判じコンンピューターソフトを扱う仕事に興味を示し志望大学に入学した。しかし入学後1週間通ったところで、「履修計画を立てられない」、「自分か座りたい席に座れない」などの理由で、通学したくないと言い出した。以前診断を受けた医療機関が遠方であったため、母親はEさんを伴って、精神保健福祉センターに勤務するF精神保健福祉士の下を訪れた。F精神保健福祉士は二人の話を詳しく聞いた後、ある提案を行った。(問題49)その2か月後、母親から、「お陰でEが大学に行っている」と電話があった。しかし母親によれば.Eさんは、元々好きだったインターネットゲームに最近ますます興じるようになり、夜更かしする結果、午前中の授業に出られないことがあるという。
「注意しても聞かないしこのままでは心配」との話を聞いたF精神保健福祉士は、精神保健福祉センターの事業として立ち上げた、発達障害児・者の家族サポートグループを案内し会の内容について説明した。(問題50)
Eさん自身も、時折、F精神保健福祉士の下を訪れ、「授業で発言したら笑われた」、「レポートをどう書いたらいいか分からない」など、大学で起こったことを相談していた。他の関係者からも適宜助言が行われた結果、Eさんは4年生に進級し、何とか卒業に必要な単位を取得する見込みが立った。しかしEさんは、「今の状態ではどこに就職しても長く働ける自信がない」、「卒業後少し訓練や経験を積んで、障害を開示せずに働ける仕事に就くことが自分の希望」と述べた。F精神保健福祉士は、Eさんの希望に沿う形で卒業後の進路について助言を行った。(問題51)Eさんは、F精神保健福祉士の助言を参考に進路を選択し、最終的に自分に合う仕事に就くことができた。

 

問題49
次の記述のうち、F精神保健福祉士がEさんと母親に対して提案した内容して、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 「医療機関に問い合わせて、処方を検討してもらうよう依頼してみます」
2 「参加できそうな当事者グループを探して、Eさんに紹介します]
3 「市の障害福祉の担当者と相談して、受けるべき合理的配慮の内容をお伝えします」
4 「大学の学習支援の担当者に連絡して、学内での支援体制について確認してみます」
5 「父親にも声を掛け.Eさんの学習意欲を高めるための話し合いをもちましょう」

 

 

 

問題50
次の記述のうち、F精神保健福祉士が説明したものとして、適切なものを1つ選びなさい。

1 [この会では、参加者相互の連絡用に名簿を作成しています]
2 「この会では、相互批判の精神が大切ですので積極的に発言してください」
3 「この会の企画や運営は、参加者同士で行ってください」
4 「この会での他の参加者の発言内容は、口外しないでください」
5 「この会に参加後、経験の浅い家族の相談に乗る立場になってください」

 

 

 

問題51
次のうち、この時点でF精神保健福祉士が紹介した事業所や機関として、適切なものを2つ選びなさい。

1 就労移行支援事業所
2 就労継続支援B型事業所
3 特例子会社
4 地域活動支援センター
5 地域若者サポートステーション

 

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題2)

次の事例を読んで,問題52から問題54までについて答えなさい。

〔事 例〕
大手の情報通信産業企業であるU社は,障害者法定雇用率の引上げに対応するため,総務部に社員サポート室を新設することにした。Gさん(精神保健福祉士)は,大学卒業後に障害者雇用支援機関で(10年間勤務した後、U社に入職した。主な担当業務は,障害者の雇用と雇用管理,社員のメンタルヘルス支援である。入職して4か月後,制作部門のH課長が,部下でプログラム開発作業に従事しているJさん・(35,歳,男性)のことで相談に来た。H課長は,「Jさんは1年前に交通事故に遭って入院し、4か月で仕事に復帰した。ところが,復帰後はパターン化した仕事でなければミスばかりして、指示された内容もよく忘れる。仕事に集中できず,意欲も減退している。診断書には,高次脳機能障害による注意障害と記憶障害があり,これ以上の改善は難しいと記載されていると聞いている。社員サポート部門が新設されたと聞いたので,相談に乗ってほしい」と話した。話を聞いたGさんは, Jさんとインテーク面接を行った後に アセスメントとして,最初に機能評価を行った。(問題52)

そして,全てのアセスメント結果から, Jさんに対する支援計画案を作成した。(問題53)

さらに Gさんは,支援計画案を基にJさんとその家族,H課長と話し合い,支援計画を策定した。その後,Gさんを中心とした会社の支援もあり, Jさんは仕事を継続できている。時に、周りの社員と折り合えずに不適応を起こすこともあるが,その都度.、 Gさんが相談に乗り,解決している。

その後,社内で,精神障害について理解を深めたいという声が上がったことから,Gさんは,社員を対象とした研修会の開催,精神障害の特徴と合理的配慮事項を記したパンフレットの作成配布など,精神障害者の雇用管理に向けて活動している。
これらの活動が評価され, Gさんは,自社の障害者実雇用率をさらに高め,職場定着も図るよう会社から指示を受けた。そして、 Gさんは,実現に向けて活動を開始した。(問題54)

 

 

 

問題52
次の記述のうち、この時点でGさんが行ったこととして、適切なものを1つ選びなさい。
1 Jさんの仕事のサポートを行う社員の採用を検討する。
2 厚生労働省の教育訓練給付制度について調べる。
3 同じ部署の社員に、Jさんに対してできそうな支援内容を聞く。
4 Jさんの家庭での状況について、家族に記録してもらう。
5 制作部門に出向き、Jさんの職務遂行状況を把握する。

 

 

 

問題53
この時点でGさんがまとめた支援計画案に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

1 地域障害者職業センターのリワーク支援利用に向けて活動する。
2 Jさんの職務内容を単純なデータ入力とし、勤務時間の短縮に向けて調整する。
3 作業場面に付き添い、ミスがなくなるようJさんに働き掛ける。
4 給与所得を補償するために、障害年金の取得に向けて支援する。
5 会社からの支援が得やすくなるため、精神障害者保健福祉手帳の取得を勧める。

 

 

問題54
この時点でのGさんの活動に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

1 会社独白の雇用率を設定し、労使間で承認してもらうよう働き掛ける。
2 障害者用に一律に減額した給与表を作成し雇用機会の拡大を図る。
3 精神障害のある社員の協力を得て、精神障害者保健福祉手帳の有無を管理する。
4 社内の主な職務について、各部署の社員と一緒に難易度を調査する。
5 障害のない社員を対象に、元気回復行動プラン(WRAP)のプログラムを実施する。

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題3)

次の事例を読んで,問題55から問題57までについて答えなさい。

〔事 例〕

 Kさん(77 歳.男性)は,小学校の校長を定年まで務めた。退職後は地域での活動を積極的に行い, 1年ほど前まで民生委員も務めていた。妻の話では,民生委員を引退してからは,外出や人と接することが少なくなった。特に 3か月ほど前からは,時々食事をしたことを忘れていたり,県外に住む長男家族が帰省した時も,孫の名前を何度有聞いていたと言う。心配した妻は,Kさんが高血圧のために定期通院をして
いる内科クリニックに相談をした。そうしたところ,主治医から認知症疾患医療センター(以下「センター」という。)を紹介され,まずは,妻が電話をすることにした。
 センターでは. L精神保健福祉士が電話を受け,妻に日常生活において感じていることなどを聞いた。妻は, Kさんが食事をしたことを忘れていることや,孫の名前が出てこないことなどを話した。(問題55)
  傍らで聞いていたKさん・は,妻が,「認知症ですか」などと発言したことに怒り始め,「そんなことはない」と大きな声で否定した。L精神保健福祉士は,妻にKさんのセンターへの受診を勧めた。しかし Kさんは頑なに拒み,センターの利用には至らなかった。
  2か月が経過した頃,民生委員の後輩のMさんが,民生委員・児童委員協議会の公開シンポジウムにKさんを誘い,一緒に行くことになった。そこで,同年代の認知症の人がシンポジストとして話をするのを聞き, Kさんは,「認知症になってもあれだけの話ができるんだ」と感心した。これが契機となり, Kさんはセンターの受診を受け入れた。二日後にセンターを訪れたKさんと妻は, L精神保健福祉士の面接を受け
た。(問題56)
  その後, Kさんは各種の臨床検査や心理テストを受け,診察の結果,初期の認知症と診断された。Kさんは診察の中で,たとえ認知症であっても地域の中で活動をしてみたいと言い,再びL精神保健福祉士に今後のことについて相談をした。(問題57)

 

問題55
次のうち.L精神保健福祉士が電話を受けた時点での認知症疾患医療センターの役割として、適切なものを1つ選びなさい。

1 鑑別診断とそれに基づく初期対応
2 身体合併症と周辺症状の対応
3 認知症に関する疾病教育
4 救急・急性期対応
5 専門医療相談

 

 

問題56
次の記述のうち、L精神保健福祉士が行った面接の内容として、適切なものを1つ選びなさい。

1 同じような問題を抱える人たちのグループ活動を紹介する。
2 楽しかった思い出や、うれしかった出来事を整理する。
3 認知症であることを伝え、服薬を指導する。
4 不安や緊張を受け止めて今の思いや、悩みの内容を把握する。
5 長期目標、中期目標、短期目標を考えて提案する。

 

 

問題57
次のうち、この場面でL精神保健福祉士が提案したこととして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 認知症家族会の運営
2 民生委員への再就任
3 デイサービスの利用
4 孫の世話
5 当事者活動への参加

 

 

(精神保健福祉の理論と相談援助の展開・事例問題4)
次の事例を読んで、問題58から問題60までについて答えなさい。

〔事例〕
Aさん(40歳.女性)は、18歳で統合失調症を発症し入院経験がある。受診は継続し、時々対人緊張が強くなったり幻聴体験はあるが、自分で対応できている。夫が代表の農業法人に勤め、子ども(7歳)がいる。
Bさん(45歳女性、精神保健福祉士)は、以前.Aさんの受診先の精神科病院に勤務し、初診時からの担当であった。5年前に退職し精神保健福祉士事務所を開業、スクールソーシャルワーカーとしても勤務している。
Bさんの退職後、AさんとBさんは、それぞれの子育ての悩みを話し合ったことをきっかけに時々会って話をする関係を続けていた。その後、地域で子育てサークルを始め、今ではメンバーが増え、子どもかち向けの活動も行うようになり、Aさんは会長、Bさんは事務局長として会を運営している。

ある日、勤務している学校で、精神障害のある母親(Cさん)と行動障害があるその子どもへの支援を検討する中で、この子育てサークルの活用が提案された。それを受けてBさんはCさんに「親子の情報を事前に会のメンバーに知らせ、理解しておいてもらった万がよい」と提案したが、Cさんは、「参加したいが病気や障害の。ことは知られたくない」と訴えたため、Bさんは、倫理的ジレンマを感じながらもサークルでの支援を進めた。(問題58)初回参加時のその子の落ち着かない言動とCさんの子どもへの対応に会のメンバーからは、「一緒にやっていくのは無理」という声が多く上がった。Bさんは、Cさん親子と会のメンバー両者の利益を視野に入れながら話合いを重ねた。Aさんの体験談もメンバーに大きな影響を与え、最終的にメンバー全員の了承が得られた。(問題59)これを契機にメンバーの福祉課題への関心が高まり、新しい活動を展開するためにNPO法人の設立を模索することになった。ある日の打合わせ後にAさんは、「20歳の頃は人生を諦めていた。病気の経験が人の役に立つなんて思っていなかった。
病気のことは心配だしどこかに引け目はあるけれど、家族、友人、仕事があるし、新しい活動が楽しみ」と語った。(問題60)

問題58
次のうち、この時のBさん(精神保健福祉士)が感じた倫理的ジレンマの内容として.適切なものを1つ選びなさい。

1 クライエントの利益に対する責任
2 自己決定の尊重とクライエント保護の責任
3 守秘義務と精度や法律に対る責任
4 クライエントに対する責任と所属組織に対する責任
5 同僚に対する責任と専門性への責任

問題59
次のうち、この話合いを通じてBさん(精神保健福祉士)が子育てサークルに果たした役割として、適切なものを1つ選びなさい。

1 アドボケーター
2 ケースマネジャー
3 メディエーター
4 イネイブラー
5 エバリュエーター

問題60
次の記述のうち、Aさんが語ったことの意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 これまでの人生で失った機能の回復を追い求める。
2 客観的な基準に基づいて自分を評価する。
3 専門家によって支えられた暮らしを楽しむ。
4 疾病や障害から脱却した人生を送る。
5 自分で自分の人生のストーリーを捉え直す。

 

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